Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

黒の巫女・・・カーリー 3

「はじめまして・・・、こんな所から失礼いたします。 本当に申し訳ありません。 他に・・・あなたたちの戦いを停める術を存じ上げないもので・・・。 騎士団・・・南洋支部支部長『剛勇の騎士』ガワン様ですね? あなたのご高名はかねがねお聞きしておりま…

黒の巫女・・・カーリー 2

休ませる暇を与えない、 というのも一つの戦術ではあろうが、ガワンは一気に追い詰めない。 あくまでも一歩・・・また一歩とプレッシャーをかけていく。 ここでも二人の差が明らかになる。 経験と老獪さだ。 マルコも各地の戦場を渡り歩いた身分であるが、修…

黒の巫女・・・カーリー 1

管理棟は完全に制圧されてしまった・・・。 もう抵抗する者はいない。 だからこそ、試験終了の合図は鳴らされたのである。 アキレウス部隊及びヘクトール部隊のほとんどは、 建物内を捜索するか、生き残りの捕虜への尋問を開始していた。 今や、通信装置を回…

ローズの闘い 15

向こうには人形マーヤを抱えたラブゥも座っていた。 「ラブゥも無事だったんだ! さぁっすがぁ!!」 ラブゥは大して表情も変えず、親指を立てるだけだ、 ・・・一応、彼女なりにローズの無事を喜んでいるつもりらしい。 メィリィは心配そうにローズの傷を見…

ローズの闘い 14

『ローズ! 梯子を下ろす! 早く乗り込め!!』 スピーカーからネロの声だ! ローズを回収しに来たのだ! 急いでヘリの下までローズは駆け寄り、上から下ろされた縄梯子によじのぼる。 うんしょ、うんしょ! 風と慣性でカラダが流される。 「わぁ~ぁ!」 こ…

ローズの闘い 13

カンニバルは辺りを見回した、・・・この場を去るつもりなのだろう。 わき腹の傷は再生し始めているみたいだが、 腰骨はさすがに難儀しているようだ。 彼女は、未だうずくまっているローズに振り返る。 「・・・もちろん私もあるがままに振舞うわ・・・。 人…

ローズの闘い 12

猜疑心をありありと見せながらローズが答える。 「このまま・・・、あたしが杭を抜いたら、そのまま咽喉を貫かれるかもしれない・・・。」 「ええ、そうね、そう思うならこのまま肝臓を貫きなさい? 私も痛いし残念だけど・・・。」 しばらくそのまま時間が…

ローズの闘い 11

「そう、ご両親の意志を継ぐ・・・ということかしら? でも、この状態を考えて? あなたの死は免れない・・・ あなたは相打ちに持ち込もうとしているようだけど・・・ 私に致命傷を与える事は出来ないわ。 そうなれば、あなたの意志はここで完全に消えてしま…

ローズの闘い 10

そして、片やローズは、左手の杭を、カンニバルのわき腹に突き刺していた。 恐らく肝臓のあたりだろう・・・。 この瞬間のダメージだけでは、カンニバル・メリーの方が被害が大きい。 だが、命の与奪権を握っているのは、紛れもなくカンニバルのほうだ。 ・…

ローズの闘い 9

ローズの視界は、カンニバル・メリーの姿でいっぱいになっていく! 彼女のカラダに左手の銀を打ち込み、右手のハンマーで止めの一撃・・・! それで全てが終わる!! ・・・だがカンニバル・メリーはいきなり消えた! ローズの眼前には、最後まで苦しむ表情…

ローズの闘い 8

・・・ぷしゅうー・・・ 「!? ・・・ゲホっ!?」 二人の顔の間に赤い霧状のものが噴出する。 「ゲホッ、ゲホッ!!」 「・・・ぅっ? こ、ゲホッな、なに! ゲホゲホッ!!」 たまらずカンニバルがよろめきながら離れる。 さすがに舞い上がる事も飛ぶこと…

ローズの闘い 7

(へえ?) カンニバルは本気で感心した。 空中でこんな動きが出来るなんて・・・。 それはいいが、 空中でカンニバルの動きを止めたために、支えが効かずローズのカラダが墜落してゆく! バサバサバサッ ドガッ!! 「あうっ!!」 途中の枝に背中を強く打ち付…

ローズの闘い 6

挑発的なカンニバルの言葉にローズは右手をポーチに突っ込む。 取り出したのは、小ぶりのハンマーだ。 恐らく、杭と同じ銀製の一対の武器だろう。 そういえば杭の形も異様だ。 ・・・それはアルファベットの”T”字型をしている・・・。 いまローズの握りは、…

ローズの闘い 5

カンニバル・メリーの黒いカラダが飛ぶ! 事前の気配はない。 喋り終わったと同時に跳んできた。 それでもローズはかわす! 空間把握能力はローズも天性の物を持っている。 目で確認しなくても、既に周りの木の配置は把握しきっていた。 木々の間を飛び跳ね…

ローズの闘い 4

薄い笑い顔を貼り付ける食人鬼に、ローズは声を張り上げる。 「あたしの名はローズ! 敬虔なるエクソシスト・マルローと、誇り高きバンパイアハンター・アシュリーの娘! 答えなさい! 一年前、あたしのパパとママを食べたのはあなたっ!?」 ・・・ローズの…

ローズの闘い 3

その時、ほとんど同時にローズは嫌な物を感じ、体勢を崩して振り返った。 その途端、黒い大きなものがローズのカラダをかすめて飛んでいく。 途中の木々の枝を折りながら、それは数メートル離れた大きな木の枝に留まる。 現われたのだ・・・! ・・・スカー…

ローズの闘い 2

鳥や獣などではない・・・。 まるで、小さなつむじ風が移動していくかのような・・・。 かすかな音さえたてないようにして、 ローズがその方向を見るが、多くの木々に邪魔されて肉眼では確認し得ない。 「それ」は普通に移動している気配はない。 突然、気配…

ローズの闘い 1

以前も、驚異的な聴力をメィリィたちの前で披露して見せたが、 ローズの感覚機能は常人のそれをはるかに上回る。 視力とて例外ではない、 ・・・それは幼い頃から生まれ育ったお屋敷の周りの森で、 両親から英才教育を施されていたからである。 暗闇での行動…

マルコ=シァス 対 剛勇の騎士 5

冷静に観察すれば、マルコの顔は人間としての顔つきはなんとか保ったままだ、 だが、目は血走り口からは細かい泡が付着し、 その形相は、先程までの人物と同一人物にはけして見えない。 破壊力やリーチの利点ではいまだ、ガワンが上回るが、 スピードと反射…

マルコ=シァス 対 剛勇の騎士 4

ようやくマルコは、昨日のルキの言葉の意味が判った。 それに、世界の秘密警察を自認するだけのことはある、 他にはどんなヤツらがいやがるんだ? ・・・戸惑うマルコを他所にガワンはゆっくり近づく・・・。 そしてこれまでのぶつかり合いで、 マルコにこれ…

マルコ=シァス 対 剛勇の騎士 3

案の定、ガワンの大斧に弾かれるが、スピードはややマルコに利があるようだ、 すぐに体勢を立て直しに反撃する。 だが、先程のナターシャ同様、このマルコでさえも、ガワンの実力に驚愕する事になる。 マルコにしてみれば、武器の特性上、接近戦に持ち込まな…

マルコ=シァス 対 剛勇の騎士 2

彼が立ち上がると同時に、ガワンのカラダから弾丸がバラバラ落ちる。 「どうなってんだ? 機関銃が効かねぇってんじゃないだろうな?」 「・・・フ、完全防弾ではないがな、 このマントは三重に編み合わせた鋼線を縫いこんである。 角度や銃弾の種類によって…

マルコ=シァス 対 剛勇の騎士 1

息を切らせながら、機関銃を肩から掛けたマルコがたどり着いた。 ガワンはすぐさま反応し、ナターシャのカラダを足蹴にして斧を引き抜く。 ・・・途端に大量の血が噴水のようにあふれ出した・・・、 彼女のカラダが草むらに沈む・・・。 「てぇんめぇぇぇ~…

剛勇の騎士ガワン 4

「うああッ!!」 ナターシャのカラダは、ナイフと共に弾き飛ばされた。 林の木々に背中を激突させ、鈍い音をたてて草むらにカラダが沈みこむ。 あまりの激痛に立ち上がることすら出来ない。 「ち・・・ちくしょう・・・こいつのカラダは岩か・・・うぅ・・…

剛勇の騎士ガワン 3

とはいえ真正面から飛び掛るわけには行かない。 標的のガワンに、あの巨大な斧を目の前に掲げられたら、それこそ自殺しにに行くようなものだ。 ロープは何本もくくりつけてある。 何度か木々の間を飛び回って隙を見つけたい。 もともと、ナナメ上空から襲い…

剛勇の騎士ガワン 2

管理棟では、門の入り口をナターシャが塞いでいた。 といっても銃火器すらない彼女は、正面から待ち受けるわけにも行かず、 側の巨木にロープを結わえ、ヒット&ウェーで、空中からターザンよろしく、 ナイフ一本で兵士達を撹乱していた。 当然、全ての兵士…

剛勇の騎士ガワン 1

一方、・・・こちらは受講生達すら誰も知らない、島の中央部にあるシェルター・・・。 そこにはマルコたちが待機しており、少し離れたところでカーリーが瞑想をしている。 黒衣のカーリーは目をつぶったまま、側に控えるネロに語りかける。 「・・・ラブゥに…

暗殺少女メィリィ 元ネタ

346 :本当にあった怖い名無し :sage :2006/06/03(土) 15:50:01 (p)id:on2V9m4P0(4) ではいまだ誰も考えてない チャイナ・メリーで行ってみようか。 満州皇帝溥儀に影で仕えた暗殺機関の最後の末裔。 スリットの大きく開いたチャイナドレスに身を包み、 腕…

忠節の騎士李袞 対 暗殺少女メィリィ 11

一見、優勢に転じたに見えたが、 所詮一時しのぎにしかならないことは、メィリィ自身わかってた。 それゆえ次なる行動は・・・。 再び腕を交差させて、懐から何かを取り出す仕草を見せる。 またもや煙だまだ。 「部っ長サン、また今度ネー!」 李袞が倒れて…

忠節の騎士李袞 対 暗殺少女メィリィ 10

確かに李袞の目には、メィリィの攻撃のモーションが映った、 しかし、彼女は完全に間合いの外にいた。 攻撃の際、半歩踏み出してはいたが、それでも攻撃の届く距離のはずがない。 傍から二人の戦いを見ていた兵士達は、 李袞以上にその正体不明の技を目の当…