2007-12-27から1日間の記事一覧
もう、たばかれやしない、 ガワンは完全に平常心に返っていた。 「ハッハッハ、言うに事欠いて太陽の下で殺されるだと? このガワンをか!? そんなことは我が軍のランスロットやライラックにも不可能だ! ここにいる狼男ですら、私を劣勢に追い込めなかった…
「ガワン殿!! 落ち着いてください!」 後ろの声に振り向くと、「忠節の騎士」李袞がやってきていた。 「もしかすると、あなたを怒らせる事が目的かもしれません・・・、 熱くなっては相手の思う壺です。」 李袞の助言は的を得ていた。 後ろでハラハラして…
「確かに、過去には行き過ぎた争いや不幸な歴史がある。 ・・・それは認める。 だからこそ、我々は厳しい戒律を持ち、剣の使いどころには慎重な判断を下してきた。 少なくとも、我ら騎士団は神の名を汚すような事などはしない!」 「二言目には『神の名』で…
「そうはいかん、目の前でこんな化け物を見せ付けられて、 お前たちを見逃すわけにはいかん。 私たちの役目ぐらい知っているであろう? 世界の秩序と平和を守るため、おまえたちのような怪しげな者達など放っておけん!」 マルコの目が再び敵意の炎を燃やす…
「はじめまして・・・、こんな所から失礼いたします。 本当に申し訳ありません。 他に・・・あなたたちの戦いを停める術を存じ上げないもので・・・。 騎士団・・・南洋支部支部長『剛勇の騎士』ガワン様ですね? あなたのご高名はかねがねお聞きしておりま…
休ませる暇を与えない、 というのも一つの戦術ではあろうが、ガワンは一気に追い詰めない。 あくまでも一歩・・・また一歩とプレッシャーをかけていく。 ここでも二人の差が明らかになる。 経験と老獪さだ。 マルコも各地の戦場を渡り歩いた身分であるが、修…
管理棟は完全に制圧されてしまった・・・。 もう抵抗する者はいない。 だからこそ、試験終了の合図は鳴らされたのである。 アキレウス部隊及びヘクトール部隊のほとんどは、 建物内を捜索するか、生き残りの捕虜への尋問を開始していた。 今や、通信装置を回…