2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧
「おい! ユェリン!! ダメだーっ!! 目を開けろッ! たのむ! ユェリン!! そ・・・そうだ、ザジル!! お前オレの傷口を治したよな!? アレをやってくれ!! そ、そうしたらすぐにここを出発するから!!」 ザジルはすぐにユェリンの元に駆け寄った。 …
その時、ツナヒロの視界に・・・階段の下から下男がこっそり登ってくるのが見えた。 ちょうど、ザジルの真後ろ・・・ツナヒロにはザジルの下半身の向こうに見える。 勿論、同じ方向を向いていたユェリンにもそれがわかっていたが、 「教育」を受けているユェ…
しばらくツナヒロは金魚のように口を動かすしかできなかった。 ようやくそれが言葉となる・・・。 「な・・・何を言ってるんだ!? 地獄? あの世にって!? ちょっと待て!! 聞いたろうっ? ユェリンはオレを騙してなんかいなかった!! 二人ともだ、頭を…
「ユェリン・・・このままでいい・・・! お前の持つ針がオレの体に向けられたままでいい・・・、 一つだけ正直に答えてくれ! お前は・・・オレのこと・・・、 おれと一緒でいられることが幸せだって言ったのは・・・」 ユェリンの髪が乱れる。 「当たり前…
だが、彼女は眼をうるませながらツナヒロを睨みつける。 「あ・・・あなたはバカですっ! 大バカですっ!! なんで・・・どうして! あのままなら幸せでいられたのに! それに私の・・・ユェリンの気持ちも信じてくださらないなんてっ!!」 「ユ・・・ユェ…
その時、長い髪のザジルは横目でツナヒロを見下ろした・・・。 「バカめが・・・。」 男に隙ができた! ユェリンが飛び出す! 「しまったっ!!」 これまでクールに振舞っていたザジルが初めてうろたえる。 ・・・そして、ユェリンの攻撃対象は・・・ 「ユェ…
「・・・。」 ユェリンは答えない・・・。 代わりにザジルと呼ばれた男だけが、振り向きもせずにツナヒロに答えた。 「別に大した仲じゃないさ、 物心もつかない子供のころ、たまたま、同じ時期にあの屋敷に連れてこられただけだ・・・。 オレは暗殺部隊・・…
「て! てめえ!?」 「だから、お前の選択は正しかったんだよ。 少なくとも寿命が延びただろう?」 なんて恐ろしい事を考えるんだ、こいつは・・・。 というよりも、この先、信用できるのか!? いや! もともと、こんな奴の言うことを真に受ける必要すらな…
みなさん、半年前の事件を覚えてますか? このブログでも、例の塩見のマンション隠匿バラバラ殺人事件と一緒にとりあげましたが。 こちらの京都府の事件は犯人と思われる人物と歩いてる映像や、 いろいろな報道がされましたが、 いまだに犯人を特定するニュ…
そこまで話すと、男は窓から宿舎の廊下に侵入してきた。 音もなく着地すると、彼は長い髪をすきあげ溜め息をついた。 「・・・なるほど、それはヤバいな・・・。 まぁいざとなったら燃やすか・・・、海の底に沈めるか・・・。 馬車は・・・オレもうまく乗り…
「ツナヒロ様、まだ荷造りが終わらないのですか?」 ユェリンが不安そうに聞いてきた。 昨日の会話があったせいか、やけに不安そうな表情だ。 無理もないか・・・。 「ああ、もう終わってるんだけどね、一応確認を・・・。」 そう言ってユェリンを寝所まで下…
しかし、その質問をすることによって、 ツナヒロの真意を悟られることだけは避けなければならない。 もし、彼女がツナヒロを監視する役目を負っているのなら・・・。 (オレがここから逃げ出したら、お前はついてくるか・・・?) この質問ではダメなのだ! …
「その時・・・あなたはどんな気分でいらっしゃるのでしょうか? ユェリンはそんな事、考えたくないんです! でも・・・でもつい考えてしまうのです! あなたが夜遅くこの部屋に帰ってくるとき、 どうして私があなたの元へ駆け寄るかおわかりですか? 日中、…
「ユェリン? どういうことだ!?」 彼女の唇は震えている・・・いや、怯えているのか・・・? 「・・・本来、私たちは、依頼や命令を受けた場合、 その対象となる人物の夜のお相手をいたすのが使命です、 ほとんどは、その夜限りの物だったり、 その方が駐…
「起しちゃったか・・・悪いな・・・。」 「いいえ? だいじょうぶです・・・、ツナヒロ様お加減は?」 「・・・だいぶ良くなったよ、 このままお前を抱いたまま、眠りたい・・・。」 ユェリンの頭はツナヒロの広い胸板の上にある。 「うふ・・・それは良か…
ツナヒロは自分の部屋に戻っている・・・。 「ツナヒロ様・・・っ!?」 ユェリンはツナヒロを迎えると、すぐさまいつものように抱きしめに行ったが、 自分と視線を微妙にずらせているツナヒロの表情に、 当然のように違和感を感じ取った。 「ツナヒロ様、・…
だがこれ以上、 誰が通りかかるかもわからない路地裏で、話を長引かせるわけにもいかない。 何をすべきかははっきりとしている。 しかし、これまでさんざん、九鬼の人間に世話になって、 いきなりここを逃げ去るわけにも・・・。 ツナヒロの心の中はその葛藤…
「昔、保健所にペットを殺され腹が立った」? 22日午後9時35分ごろ、東京都千代田区霞が関の警視庁本部に、男が「次官を刺した」と 車で出頭した。警視庁によると、男は血の付いたナイフとスニーカーを持っていたという。 警視庁は男を麹町署に同行、銃…
「結論を言う・・・!」 塀の上から、男はしびれを切らしたのか、ツナヒロの思考を中断させた。 どっちにしたって回答は出せそうもない・・・。 「ツナヒロ・・・、お前はこの国を去れ。」 「ど・・・どうやっ・・・い、いや、簡単に言うなよ!! オレはこの…
・・・どれぐらい固まっていたのだろう、 男は背後からツナヒロの肩に手を置いた・・・。 「もういいか?」 「・・・え、あ?」 「これがこの館の秘密だ。 他にも、いろいろ恐ろしい部署がいくつもあるが・・・、 今、お前が知るべきなのはここだけで十分だ…
いらっさいませ! ここはゲストブックです。 皆様お気軽に書き込んで行って下さい。 業者の宣伝はお断りです。 Genesis ”Horizon's" 画像は変わるかもしれません、
「普段は訓練がメインだよ、今日はたまたま実戦の日だ・・・。 もちろん、訓練でも大勢、怪我したり死んだりするがな・・・。」 「なんで、そんなことを!? 普通の兵隊の訓練よりも過酷だろう、これは!!」 「そうだろうな、この施設で育った者は、兵士よ…
だあ、もう腹をくくるしかない。 そのまま手を出して、引っ張り上げられる。 入り組んだ迷路のような隙間を這いまわると、だんだん悲鳴が大きくなっていく。 怒鳴り声も時々混じってるようだ・・・。 拷問部屋でもあるのか? それともここは刑務所なのか? …
「お前、なかなかいい動きをしていたな、 あれと同じ感覚で動け。 勿論、大きな音や声を立てるな。」 「立てたら?」 「オレがお前を殺す。」 どうしろってんだよ・・・! やっ! っと、ツナヒロが塀を登ると、下で待っていた男は風のように一足で塀の上にジ…
男は考え込んでる様子だ。 いつまでこんな所に足止めされなきゃいけないんだ? 「な、なぁ、あんた等の上役は誰なんだ? なんなら、明日、オレが直接謝るよ! もう宮廷のほとんどの方には挨拶も済ませてるし、 宴会で親しくなっている。 あんた等だって面倒…
・・・また恐ろしい事件が・・・。 それでこの事件の詳細もわからんし、 ちょっと調べてる時間もないのですが・・・、 こないだ、厚生省の年金スペシャリスト、誰か自殺(?)しなかったっけ? ・・・関係は・・・?
「い、いや、ホントに何も見ていない!! ただ、こ・・・声が・・・。」 「声?」 「だ・・・誰にも言ってないし・・・わ、忘れるよ!! それに声っというか叫び声だけ・・・!」 男は腕を伸ばす。 「ホントにそれだけだってば!! やめてくれよ、もう、ほん…
「わかるな・・・。 例えば、おまえの咽喉なんかに私の指が触れたら・・・、 出血量はこんなもので済まない・・・。 それこそ、私が傷を治す間もなく、お前は死に至る・・・。」 「あ・・・あぁ・・・。」 ツナヒロは震え始めた・・・。 これまで気楽に過ご…
みんな、ごめんなさい、 せっかく覗いてくれても、 もう、なかなか皆さんのところに行く時間ないよ・・・。 もう私のブログ、読んでくれるだけでも、 ・・・いえ、覗きに来ていただけるだけでもうれしいよ・・・。 でもみんなの所にいって、 じっくり読ませ…
「お、おぃい・・・?」 すると背中の男は不思議な事をツナヒロに指示をした。 「右手を上にあげろ・・・。」 「右手・・・ホラ?」 「よし・・・。」 男はツナヒロの二の腕に、そっと指を触れると・・・、 そのまま静かに彼の腕に沿って指をなで下ろした。 …