2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧
直接、戦闘行為を行っていない全ての者が、荒げた男の声に反応した、 ユージンやオブライエンでさえも・・・。 もっとも、そのマストに立っている女性が、人形メリーだと理解できたのはユージン、オブライエン、 その二人だけである。 「あ・・・あれはあの…
「ユージン様! あなたは甲板に出る必要はありません! 危険ですよ!?」 「だが、船長は行くつもりなんだろう? わ、私だって貴族の端くれなんだ、 多少の剣の心得はある! これ以上被害を受けるわけにはいかないんだ!」 船長は、部下を殺された怒りと、 …
この時代にレーダーなどない、 朝もやの中から突然、3隻からなる海賊船が洋上に姿を現わした。 オブライエンやユージンの乗る船のクルーたちは、 直ちに持ち場について、海賊船に襲撃への臨戦態勢をとる。 熟睡していたユージンも、突然の騒乱に目を覚まし…
仮にも貴族のユージンが、それで納得できるはずもない。 ・・・だが、人形の言葉遣いから、 彼女のセリフが本気である事も、疑いようがないことだけはわかった。 しぶしぶと、その薄暗い部屋から退出するしかない・・・。 船長は扉を閉める前に、もはや真っ…
ゴトン! いきなりの事で、ユージンの手からランプが落ちる。 オブライエン船長は慌てずに、ゆっくりランプを拾い上げると、 固まったままのポーズの、ユージンとメリーの顔を照らし映した。 のけぞったユージンには、狼狽と恐怖の色がその顔に浮かび上がって…
「彼女に聞いてみたほうが手っ取り早いですよ、 おい、メリー、キミを作ったのは誰だ?」 人形は終止、船長とユージンの会話を黙って聞いていたが、 ここで船長に質問されてようやく会話に参加した。 「・・・さぁ、このカラダを作ったのは誰かだなんて・・…
「しゃべったぁぁ!!」 ようやく喋れたのはユージンのほうだ。 オブライエン船長は、ユージンの反応を見て、予想通りとでもいう風にほくそえんでいる。 人形はあまり反応がない、 当然と言えば当然だが。 ユージンは、一人興奮してわめき散らす。 「ちょっ…
激しくいきり立つユージンに船長は「とんでもない」という風に両手をあげる。 「待ってください、ユージン男爵。 アレが女性に見えますか? いや、女性には違いないのか、な? なぁ、メリー・・・。」 メリー!? 急いでユージンが首を戻すと、 そのうずくま…
揺れる船の中でユージンは驚いた。 「え!? てことは密航者かい!? 困るよ!? 第一、何で僕に報告をしないんだ!?」 「報告をしなかったのは謝りますが、あなたが困る事は何もありませんよ? 何しろ、『アレ』は水も食料も必要ありませんからな。」 「・…
ユージンは、大仰な手振りで不満そうなジェスチャーをとる。 「そりゃあね、安全ならそれに越した事はないけど、 可愛い貴婦人もいないし、舞踏場も楽団もない、 男だらけのバーで、お酒を飲んでもうまくもなんともないよ。」 「ハハッ、お若いですな、さす…
船は大西洋上を航海していた。 船は今で言うスペインの辺りを出航し、 かつて新大陸と呼ばれていた未開の地域に向け、一路、西へと進んでいた。 もともと、この大きな船も、商業船や貿易船とも言いがたい。 何しろ、新大陸には何があるかわからないのだ。 今…
なんとおばあさんは既に狼に食べられていたのです。 おばあさんに化けていた狼は、嬉しそうにメリーに襲い掛かりました。 ・・・ですが、狼の牙はメリーには届きません。 メリーが背負ってた金属物が狼の攻撃を遮っていたのです。 「な、なんだぁ・・・!?…
メリーが家の扉を開けると、昼間だというのに中は真っ暗です。 なんで、窓を開けないんだろう? 「おばあさん? メリーです! どうして窓を開けないの?」 おばあさんがどこにいるかわかりません、 でも声の方角は、おばあさんがいつも寝ているベッドの方角…
「もしもし? お嬢ちゃん、この先はおっかない森だよ? いったいどこに行く気だい?」 鉄砲をかついだ猟師は、小柄で可愛い女の子に尋ねました。 女の子は背中に荷物を背負って、手には小ぶりの筒をぶらさげています。 「わたしはメリーです。 これから森の…
・・・基本的にここの書庫は、 過去の有名な古典や物語をモチーフに、 メリーさんをからめて作ってます。 現在、 ゲーテ、 イギリス民話 グリム アイスキュロス などをラインナップしております。 世界名作劇場 http://1st.geocities.jp/amekazelionmaru/MEI…
百合子:「余計なお世話よ・・・。 それより、麻衣もあなたの未来を透視したそうよ? あまり・・・他人事じゃないんじゃないのかしら?」 少年:「・・・へぇ、そう? あいにく天使には未来を予知する能力は備わってなくてね、 ただ・・・、娘さんが僕の未来…
うりぃ:「そーいや、マーゴの姉ちゃんに追いかけられとるんやってぇ?」 麻衣:「えええええっ?」 少年:「・・・どうも、そうらしい・・・。」 今日子:「その気になればいつでも振り切れるんでしょ? なぁんでまた?」 少年:「『アイツ』にはめられたん…
うりぃ:「そーいや、百合子はんはここには・・・。」 麻衣:「なんか・・・アメリカに行くみたい・・・。」 エミリー:「えっ、またなんで!?」 マリー:「まさか・・・。」 マザーメリー:「もしかして・・・決着をつけに行くんですか?」 麻衣:「・・・…
マザーメリー:「あっ! また呼んでもないのに勝手に入ってきて!!」 少年:「そんな意地悪しないで欲しいなぁ? ちゃんと飲んだもののお金は払うし・・・。」 うりぃ:「あんたが天使はんか!? 確かに顔は美形やなぁ?」 といいつつ、少年の顔を指で引っ…
パァン!パンパン! いくつものクラッカーがたかれた。 「おつかれ~!」 「ごくろーさまぁ!!」 恒例楽屋落ちだ。 今日は、ナイトラウンジ・キャッスルオブメリーに、 「メリーさんを追う者」の出演者の一部がやってきている。 マザーメリーの真ん前に、麻衣・…
・・・ ・・・ てな感じで、ずーっとおかしな夢、見てたのね。 あたしの場合、ただの夢か、そうでないのかは、 もう、経験上、わかるんだ。 でも、少なくとも、うなされながら視たこの光景は、 近い未来に起きる予知夢でないのは確実みたいだし・・・。 とり…
あれは・・・ あなたは・・・ 「人形」 メリー・・・ ママ・・・? 違う・・・ママじゃない・・・。 人形メリーだけど、ママじゃない・・・。 といっても麻里ちゃんでも絵美里ちゃんでもない・・・。 また、誰か別の人が入ったの・・・!? あなたは・・・一…
どうして? この女の人が何をしたの? イブ? 魔女? やめて! その人を殺さないでッ!! ・・・男の人が苦しんでる・・・ 彫りの深い・・・髪の毛は白髪が多い・・・。 まだ若そうなのに・・・。 さっきの火炙りにされた女の人のことで苦しんでるの? どう…
「・・・私の運命を教えようか・・・? 天空の神々が恐れているのは、 私の『未来を見通す力』・・・そして人間の『心』・・・。 だが、私の命も残り少ない・・・。 いずれ人間は進化し・・・その父親の力も追い抜くであろう・・・。 父親とは・・・!? そ…
ほんとに刺されたの!? 声・・・聞こえる、少年の声・・・。 「○○○○(人の名前? さっきの人?)、 ・・・人間とは 弱い生き物だな・・・、 私が人間だった時の・・・私の心が・・・○○(女の人の名前?)の・・・お前の心の弱さが、 こんな戦争を起こしたよ…
それで、 「そこ」は戦場を見渡せる小高い丘、 草むらには「少年」と・・・誰だろう、腰に剣を差した白人の将校みたいな人がいる・・・、 どこかで会ったかな・・・? いや、誰かに似てる・・・? 外人さんの知り合いなんて・・・マーゴお姉さんに似てるのか…
「麻衣からみなさんへ!」 みなさん・・・ みなさん、はじめまして! 麻衣です! ・・・あ、はじめましてじゃないのかな? ま、いっか・・・。 物語はこれで終わりです。 長い間、読んでいただいてありがとうございました。 一まず、あたしたちもお休みいた…
日浦は反論すらしなかった・・・、 そしてついにタケルの剣が日浦の胸を貫く・・・。 「スサ」の勝利・・・オデュッセウス部隊は降伏した・・・。 だが、日浦の部下は、戦闘終了後タケルに告白する・・・。 「・・・支部長こそ、美香殿に特別な気持ちを抱い…
緒沢タケルは正式に、秘密結社「スサ」の総代の地位に迎えられる。 「スサ」とは、世界各地に伝わる古代の英雄神の末裔達が、 共通の価値観を共にして集合した新興組織・・・。 だが、その殆どのメンバーは、王族出身であったり、強大な権力を手にしていたり…
「まぁ? そんな大した事じゃございませんことよ? 女性なら、男の人を意に従わせるなんて・・・誰でもやってることでしょう? あなたに渡す髪の毛を拾うのも簡単だったし・・・。」 「しかし会った事もない人間にまで術が効くとは・・・、 黒十字団が作った…