Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

メリーさんを追う男 夢7

それだけ言うと、 騎士団総司令官ウーサー・ペンドラゴンは証人台の机の下から、短銃を取り出した・・・! 既にその準備を事前にしていたのだろう、 彼は何の迷いもなく、 銃口をこめかみに当て、 目から一筋の涙を流した跡、 いとも簡単にその引き金を引い…

メリーさんを追う男 夢6

「お静かに! だが、事件はこれだけで終わりません、 むしろ始まりなのです、 既に世界各地で同様の事件が起きてるはずです・・・。 別に私は気が狂ったわけでもありませんよ、 命令したのは私ですが、同じ志を持った仲間が世界各地に散らばっておるのですか…

メリーさんを追う男 夢5

スコットランドヤード、ロンドン市警共に、今回の大規模テロは、 イスラム過激派でも、アイルランド民族戦線いずれの組織も関係がないと判断するに至った。 一般人が潜入できない場所への爆弾の取り付け、 爆弾の性能、威力、どれも通常のテロ組織のものでは…

メリーさんを追う男 夢4

「ハァーイ、ちょっとお時間、よろしいデスかぁ? あなたハァ神を信じマスかぁ?」 ・・・スティーブは今日も布教活動に余念がない。 神に仕える宣教師として、真面目にナンパ・・・いや、女性中心に声をかけている。 ・・・どうも「少年」のお墨付きをもら…

メリーさんを追う男 夢3

再び、伊藤宅、 麻衣は熱のために意識が朦朧としてて、 寝てるのか起きてるのかよくわからない状態だった・・・。 麻里も、ずっとそばにいても仕方ないので、廊下や部屋の掃除をしている。 時々、麻衣の部屋を開けて、様子を何度も窺いながら・・・。 麻里は…

メリーさんを追う男 夢2

そして伊藤は家を出た。 昨晩・・・、麻衣たちがとんでもない目に遭ったことなど知りもせず・・・、 近くに最愛の百合子が現われた事も知らないまま。 もう、 ・・・彼ら家族が再会することはないのだろうか・・・。 昨晩、スティーブが麻衣たちを運んだ後、…

メリーさんを追う男 夢1

「ま、麻衣! 具合はどうなんだっ? ・・・ できればパパがついていてあげたいんだけど・・・!」 翌日、昼前に父親の伊藤が帰ってきたが、麻衣は熱を出して寝込んでいた。 顔が真っ赤だが、大騒ぎするほどでもない、 今はつらいけど、一日寝ればたぶん、楽…

メリーさんを追う男 潜行7

「その人はもう、死んでいるの!?」 「うん・・・生きてる時にも怨念は出せるけど・・・ 生きてる時ってのはいろいろ、心理状態は変わるでしょ? だから、そんなに強いエネルギーは出せないの、 ・・・でも死んでしまうとその思いは固定されてしまうので、 …

メリーさんを追う男 潜行6

「・・・ちゃん! 麻衣ちゃん!!」 カラダは汗でびっしょりだ・・・。 絵美里が心配して麻衣のカラダを抱きしめている・・・。 「麻衣ちゃん! ・・・良かった、気がついた? だいじょぶ!?」 麻衣は力なくまばたきを繰り返す・・・。 「あ・・・、マ、マ…

メリーさんを追う男 潜行5

麻衣は必死の思いでこの場から離れようとした、 家の外に・・・ 家の外? 出口は? 出口がない!! 慌てて後ろを振り返ると、リジーボーデンが薄ら笑いを浮かべながら近づいてくる! しかも狂気の色を浮かべた目は、 不気味な光をたたえ、真っ直ぐ麻衣に焦点…

メリーさんを追う男 潜行4

きっと、 この女性のしでかした事件こそが、ヤギ声の男に多大な精神的影響を与えたんだ・・・。 ・・・部屋を覗くと、その女性・・・リジー・ボーデンは、 既に動かなくなった母親の残骸を、 今もなおその斧で破壊し続けている。 しかも、なかば狂喜じみた笑…

メリーさんを追う男 潜行3

部屋の中のその女性は、ふらふらと立ち上がった・・・、 しばらくうつむいたまま動かない。 だが、・・・彼女が部屋の出口に向かって振り返ったとき、 この部屋で何が起こったのか、麻衣は完全に理解した! その女性の服には大量の返り血がこびりついていた…

メリーさんを追う男 潜行2

・・・チック、タック チック、タック・・・ 家の中には正面に立派な柱時計がある・・・。 玄関は泥で汚れている・・・その辺に長靴やスコップなんかが無造作に並べられている・・・。 叫び声は二階から聞こえてきたような・・・。 ・・・もう、この時点で、…

メリーさんを追う男 潜行1

太陽がじりじりと照りつけている・・・。 セミがたくさん鳴いてるが、知っている種類の泣き声ではない、 風景も、家の種類も日本のものではなさそうだ・・・、 アメリカかオーストラリアか、・・・そんな広い土地がある国・・・。 その草原にポツンと建って…

メリーさんを追う男 出現7

「うん、なんとかやってみるよ。」 絶好調とは言いがたいが、成功率は高い気がする。 問題は、この男の精神がイッちゃってると、 サイコメトリーで読み取れるものが、かなり雑然としたものになってしまうと言う事だ。 麻衣は正座して、男のこめかみに両の手…

メリーさんを追う男 出現6

・・・さて、 体育館の中では、まだ興奮さめやらぬ・・・といった雰囲気で、絵美里が上機嫌でいた。 麻里とさっきの男の人の話を繰り返している・・・。 なつきちゃんといい、麻里ちゃんたちといい・・・、 ”マリーったら気が多すぎっ! さっきまであのちっ…

メリーさんを追う男 出現5

「・・・あ、あのオレ悪いけど、ホントに行くよ? お姉さん、ほんとにだいじょぶ? そこまで運ぶだけだったらするけど、時間的にこれ以上は・・・ちょっと・・・。」 でかい図体して変な所で気が弱そうだ、 絵美里も麻衣も笑うしかない。 「あ、大丈夫です、…

メリーさんを追う男 出現4

ヤギ声の男は絶命した・・・。 このまま、こいつの頭に手を当て、この男の過去を読みとってもいいが・・・。 麻衣が振り返ると、絵美里が興味津々と男に質問をしようとしていた。 「あ、あの、あなたは?」 その答えを確かめてからでもいいや・・・。 「あ、…

メリーさんを追う男 出現3

「あ・・・あの、大丈夫・・・っすか?」 ・・・今までの緊張感からは考えられないほどのギャップがある、ふっつーのセリフだ、 ちょっと呆気にとられた絵美里だったが、勿論その手を拒絶する理由はない。 「は、はい、だいじょーぶ・・・です、・・・アイタ…

メリーさんを追う男 出現2

ヤギ声の男は、甲高い叫び声を発して暴れ続けるが、もう勝負にならない。 腕を完全に押さえられて、見る見るうちにカラダが折れていく・・・! そして大男も力を緩める気配はない、 麻衣たちには、ヤギ声の男の骨のきしむ音が今にも聞こえてきそうだ。 大男…

メリーさんを追う男 出現1

さて、舞台を現在の日本に戻してみよう。 体育館のフロアーでは、麻衣も絵美里も、全く心当たりのない闖入者に目を白黒させていた。 百合子ママでも、スティーブでも・・・ましてや「少年」でもない。 それこそ、巨人とも見まごうばかりの長身の男・・・、 …

メリーさんを追う男 老人6

一人が小柄な少年の肩に手をかけた。 ・・・その手をにらむ少年。 少年は、すぐに手をかけた男の顔に向かって口を開く。 「・・・放せ、人間・・・。」 ごろつきたちは互いの顔を見つめて笑い出した。 「あっはっはぁ!!『放せ人間』ですってぇぇ! こっわ…

メリーさんを追う男 老人5

・・・老人は再びベンチに横たわる。 一度、少年の問いに顔を横に向け、質問には真っ当には答えずはぐらかす・・・。 「安心するがよい・・・、 『彼』もまた、進化の途中じゃ・・・、 悩み、苦しみ、怒り、悲しむ・・・。 お前さんたちから見れば馬鹿馬鹿し…

メリーさんを追う男 老人4

一方的に、老人に説教かまされたカタチの少年は、落ち込むことも悔しがることもなく、 冷静に老人の言葉を理解しようとする。 「いや・・・、そういうことか、なるほど、いい勉強になるな、 だが、君のことだ、話半分で聞かせてもらうよ。」 老人はこけそう…

メリーさんを追う男 老人3

「お前さん、今までそのカラダで、天使の精神を眠らせていたんじゃろう? それでも人間としての人格は、少なからず天使の影響を受けたはずじゃ、違うかね?」 「・・・その通りだ、おかげで中学まではまともな人間関係を作れなかったな、 作る必要もなかった…

メリーさんを追う男 老人2

そこで初めて少年は涼しく笑った。 「・・・できればそうしたかったんだけどね、 ここのところ、君の周辺がにわかに慌ただしくなってるみたいだしね、 それに・・・ようやく『誰が彼の新しい肉体なのか』判別がついたところさ・・・。」 少年の意味深なセリ…

メリーさんを追う男 老人1

さて、話は佳境ではあるけども、ここで時間を一年ほど過去に遡ってみたい・・・、 場所はフランスの貧民街・・・。 夢を持ってフランスに移民したはいいけれど、外国人に対する差別はこの国も例外ではなく、 とくにアフリカ出身者、イスラム教徒はなかなか職…

メリーさんを追う男 覚悟9

一方、ここは学校の屋上・・・、 屋上には二メートルのほどのフェンスがあるが、 そのフェンスの上に、一人の少年が座って眼下の体育館を見下ろしていた・・・。 「・・・フーン、あのメリーとかいう人形が来るかと思って、 外からは誰でも入れるようにしと…

メリーさんを追う男 覚悟8

・・・ ・・・今の声は!? それは、彼女たちの頭に直接響く声だった・・・。 麻衣にとってはさして珍しい現象でもなかったが、 それができるのは、同じリーリトであるおばあちゃんと百合子ママだけ・・・。 それ以外の人間の声など、不意に聞こえるはずなど…

メリーさんを追う男 覚悟7

・・・そして絵美里たちにも、この鎌の耐え難い誘惑から逃れられるはずもなかった・・・。 150年の長きに亘って使い続けてきた愛用の武具・・・。 それは、彼女たちのカラダの一部とさえ言って差し支えない・・・。 ・・・これさえあれば全て解決する! …