メリーさんを追う男
百合子:「余計なお世話よ・・・。 それより、麻衣もあなたの未来を透視したそうよ? あまり・・・他人事じゃないんじゃないのかしら?」 少年:「・・・へぇ、そう? あいにく天使には未来を予知する能力は備わってなくてね、 ただ・・・、娘さんが僕の未来…
うりぃ:「そーいや、マーゴの姉ちゃんに追いかけられとるんやってぇ?」 麻衣:「えええええっ?」 少年:「・・・どうも、そうらしい・・・。」 今日子:「その気になればいつでも振り切れるんでしょ? なぁんでまた?」 少年:「『アイツ』にはめられたん…
うりぃ:「そーいや、百合子はんはここには・・・。」 麻衣:「なんか・・・アメリカに行くみたい・・・。」 エミリー:「えっ、またなんで!?」 マリー:「まさか・・・。」 マザーメリー:「もしかして・・・決着をつけに行くんですか?」 麻衣:「・・・…
マザーメリー:「あっ! また呼んでもないのに勝手に入ってきて!!」 少年:「そんな意地悪しないで欲しいなぁ? ちゃんと飲んだもののお金は払うし・・・。」 うりぃ:「あんたが天使はんか!? 確かに顔は美形やなぁ?」 といいつつ、少年の顔を指で引っ…
パァン!パンパン! いくつものクラッカーがたかれた。 「おつかれ~!」 「ごくろーさまぁ!!」 恒例楽屋落ちだ。 今日は、ナイトラウンジ・キャッスルオブメリーに、 「メリーさんを追う者」の出演者の一部がやってきている。 マザーメリーの真ん前に、麻衣・…
・・・ ・・・ てな感じで、ずーっとおかしな夢、見てたのね。 あたしの場合、ただの夢か、そうでないのかは、 もう、経験上、わかるんだ。 でも、少なくとも、うなされながら視たこの光景は、 近い未来に起きる予知夢でないのは確実みたいだし・・・。 とり…
あれは・・・ あなたは・・・ 「人形」 メリー・・・ ママ・・・? 違う・・・ママじゃない・・・。 人形メリーだけど、ママじゃない・・・。 といっても麻里ちゃんでも絵美里ちゃんでもない・・・。 また、誰か別の人が入ったの・・・!? あなたは・・・一…
どうして? この女の人が何をしたの? イブ? 魔女? やめて! その人を殺さないでッ!! ・・・男の人が苦しんでる・・・ 彫りの深い・・・髪の毛は白髪が多い・・・。 まだ若そうなのに・・・。 さっきの火炙りにされた女の人のことで苦しんでるの? どう…
「・・・私の運命を教えようか・・・? 天空の神々が恐れているのは、 私の『未来を見通す力』・・・そして人間の『心』・・・。 だが、私の命も残り少ない・・・。 いずれ人間は進化し・・・その父親の力も追い抜くであろう・・・。 父親とは・・・!? そ…
ほんとに刺されたの!? 声・・・聞こえる、少年の声・・・。 「○○○○(人の名前? さっきの人?)、 ・・・人間とは 弱い生き物だな・・・、 私が人間だった時の・・・私の心が・・・○○(女の人の名前?)の・・・お前の心の弱さが、 こんな戦争を起こしたよ…
それで、 「そこ」は戦場を見渡せる小高い丘、 草むらには「少年」と・・・誰だろう、腰に剣を差した白人の将校みたいな人がいる・・・、 どこかで会ったかな・・・? いや、誰かに似てる・・・? 外人さんの知り合いなんて・・・マーゴお姉さんに似てるのか…
「麻衣からみなさんへ!」 みなさん・・・ みなさん、はじめまして! 麻衣です! ・・・あ、はじめましてじゃないのかな? ま、いっか・・・。 物語はこれで終わりです。 長い間、読んでいただいてありがとうございました。 一まず、あたしたちもお休みいた…
日浦は反論すらしなかった・・・、 そしてついにタケルの剣が日浦の胸を貫く・・・。 「スサ」の勝利・・・オデュッセウス部隊は降伏した・・・。 だが、日浦の部下は、戦闘終了後タケルに告白する・・・。 「・・・支部長こそ、美香殿に特別な気持ちを抱い…
緒沢タケルは正式に、秘密結社「スサ」の総代の地位に迎えられる。 「スサ」とは、世界各地に伝わる古代の英雄神の末裔達が、 共通の価値観を共にして集合した新興組織・・・。 だが、その殆どのメンバーは、王族出身であったり、強大な権力を手にしていたり…
「まぁ? そんな大した事じゃございませんことよ? 女性なら、男の人を意に従わせるなんて・・・誰でもやってることでしょう? あなたに渡す髪の毛を拾うのも簡単だったし・・・。」 「しかし会った事もない人間にまで術が効くとは・・・、 黒十字団が作った…
それだけ言うと、 騎士団総司令官ウーサー・ペンドラゴンは証人台の机の下から、短銃を取り出した・・・! 既にその準備を事前にしていたのだろう、 彼は何の迷いもなく、 銃口をこめかみに当て、 目から一筋の涙を流した跡、 いとも簡単にその引き金を引い…
「お静かに! だが、事件はこれだけで終わりません、 むしろ始まりなのです、 既に世界各地で同様の事件が起きてるはずです・・・。 別に私は気が狂ったわけでもありませんよ、 命令したのは私ですが、同じ志を持った仲間が世界各地に散らばっておるのですか…
スコットランドヤード、ロンドン市警共に、今回の大規模テロは、 イスラム過激派でも、アイルランド民族戦線いずれの組織も関係がないと判断するに至った。 一般人が潜入できない場所への爆弾の取り付け、 爆弾の性能、威力、どれも通常のテロ組織のものでは…
「ハァーイ、ちょっとお時間、よろしいデスかぁ? あなたハァ神を信じマスかぁ?」 ・・・スティーブは今日も布教活動に余念がない。 神に仕える宣教師として、真面目にナンパ・・・いや、女性中心に声をかけている。 ・・・どうも「少年」のお墨付きをもら…
再び、伊藤宅、 麻衣は熱のために意識が朦朧としてて、 寝てるのか起きてるのかよくわからない状態だった・・・。 麻里も、ずっとそばにいても仕方ないので、廊下や部屋の掃除をしている。 時々、麻衣の部屋を開けて、様子を何度も窺いながら・・・。 麻里は…
そして伊藤は家を出た。 昨晩・・・、麻衣たちがとんでもない目に遭ったことなど知りもせず・・・、 近くに最愛の百合子が現われた事も知らないまま。 もう、 ・・・彼ら家族が再会することはないのだろうか・・・。 昨晩、スティーブが麻衣たちを運んだ後、…
「ま、麻衣! 具合はどうなんだっ? ・・・ できればパパがついていてあげたいんだけど・・・!」 翌日、昼前に父親の伊藤が帰ってきたが、麻衣は熱を出して寝込んでいた。 顔が真っ赤だが、大騒ぎするほどでもない、 今はつらいけど、一日寝ればたぶん、楽…
「その人はもう、死んでいるの!?」 「うん・・・生きてる時にも怨念は出せるけど・・・ 生きてる時ってのはいろいろ、心理状態は変わるでしょ? だから、そんなに強いエネルギーは出せないの、 ・・・でも死んでしまうとその思いは固定されてしまうので、 …
「・・・ちゃん! 麻衣ちゃん!!」 カラダは汗でびっしょりだ・・・。 絵美里が心配して麻衣のカラダを抱きしめている・・・。 「麻衣ちゃん! ・・・良かった、気がついた? だいじょぶ!?」 麻衣は力なくまばたきを繰り返す・・・。 「あ・・・、マ、マ…
麻衣は必死の思いでこの場から離れようとした、 家の外に・・・ 家の外? 出口は? 出口がない!! 慌てて後ろを振り返ると、リジーボーデンが薄ら笑いを浮かべながら近づいてくる! しかも狂気の色を浮かべた目は、 不気味な光をたたえ、真っ直ぐ麻衣に焦点…
きっと、 この女性のしでかした事件こそが、ヤギ声の男に多大な精神的影響を与えたんだ・・・。 ・・・部屋を覗くと、その女性・・・リジー・ボーデンは、 既に動かなくなった母親の残骸を、 今もなおその斧で破壊し続けている。 しかも、なかば狂喜じみた笑…
部屋の中のその女性は、ふらふらと立ち上がった・・・、 しばらくうつむいたまま動かない。 だが、・・・彼女が部屋の出口に向かって振り返ったとき、 この部屋で何が起こったのか、麻衣は完全に理解した! その女性の服には大量の返り血がこびりついていた…
・・・チック、タック チック、タック・・・ 家の中には正面に立派な柱時計がある・・・。 玄関は泥で汚れている・・・その辺に長靴やスコップなんかが無造作に並べられている・・・。 叫び声は二階から聞こえてきたような・・・。 ・・・もう、この時点で、…
太陽がじりじりと照りつけている・・・。 セミがたくさん鳴いてるが、知っている種類の泣き声ではない、 風景も、家の種類も日本のものではなさそうだ・・・、 アメリカかオーストラリアか、・・・そんな広い土地がある国・・・。 その草原にポツンと建って…
「うん、なんとかやってみるよ。」 絶好調とは言いがたいが、成功率は高い気がする。 問題は、この男の精神がイッちゃってると、 サイコメトリーで読み取れるものが、かなり雑然としたものになってしまうと言う事だ。 麻衣は正座して、男のこめかみに両の手…