Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Lady メリーと異教の騎士15

ハロルドは途方に暮れて受話器を置く。 頭をポリポリ掻きながら、メリーを振り返った。 「よろしく、言われたってなぁ・・・。」 メリーは黙って、ハロルドの頭の動きに視線を合わせているだけだ。 彼の次の動きを待っているようだ。 「あー、・・・ズビッ、…

Lady メリーと異教の騎士14

「はぁ・・・、それで騎士団とはどんな関係なんだ?」 『直接は関係してないわ、 ・・・私の独断で行う依頼・・・。 ただ、彼女に協力する事は、結果的に騎士団の精神と目的に合致するというお題目はある。 本来、北米支部のリッチーにも話は通すべきなんだ…

Lady メリーと異教の騎士13

『ありがとう、でね? その人形は、人の感情・・・ 特に憎しみとか憤り、無念、絶望と言ったネガティブな感情を吸い取るの、 それも死に行く人間の凄まじいまでの情念を。 ・・・そしてその念をエネルギーにして、恨みの対象者を処刑していく使命なの・・・…

Lady メリーと異教の騎士12

『う~ん、でもハロルドは柔軟な頭もってるから、 難しい事聞かせるより、実際見てもらう方がいいかと思ってぇぇ。』 「・・・それって、言い換えたら只のバ・・・いえ、 とりあえず、話を進めましょう、 彼に換わる?」 メリーは、受話器を固まってるハロル…

Lady メリーと異教の騎士11

薔薇の刺繍のドレスに煌めく銀色の髪・・・! そしてあまりに白い石膏の顔と、滑らかな指先が、禍々しい存在感を印象付けさせる。 そして『彼女』は口を開いた・・・。 「・・・随分な歓迎ね? 私がメリー・・・、 それが、今あなたの目の前にいる人形の名前…

Lady メリーと異教の騎士10

相手が化け物だろうが、いきなりだろうが、 一度狙った獲物を外す事はない! それがハロルド・スミス・ピーターガンの恐るべき腕前だ。 さっきまで通話をしていたマーゴの声が、スピーカーから漏れてくる。 辛うじてその声は、 『キャー ハロルド、早とちり…

Lady メリーと異教の騎士9

「あ? こんなタイミング良くか? じゃあ電話このままでいいか? とりあえず出てみるよ。」 ハロルドは、バッテリー切れのことは、一度棚上げする事にした。 途中で通話が切れてしまうことも考えたが、あんまり関わりたくないと言うホンネもあった。 ま、と…

Lady メリーと異教の騎士8

『えーとね、騎士団のみんなには元々、頼みにくい案件で、 それで已む無くあたしに回ってきたんだけどぉ、 オカルトな内容なのよぉ。』 ハロルド、思わず目をパチクリ! 「ちょっと待った・・・。 そんな気味悪ぃもんをオレにやらせようってのか?」 『いー…

Lady メリーと異教の騎士7

「・・・おやじさんの死がいろんな意味で痛いな・・・。 周りのメンツは、おやじさんの意志に殉じようってノリじゃねーのか?」 『・・・そうなの、 それにランスロットもガワンも、李袞とかも、 根が純粋な人たちだけに・・・。』 ハロルドは舌打ちをした。…

Lady メリーと異教の騎士6

『ハロゥ・・・?』 若い女性の声・・・、既に何度かこの物語で登場した魅惑的な女性、 フェイ・マーガレット・ペンドラゴン・・・、別名『ウェールズの魔女』だ。 「・・・いよぉぉ、久しぶりだなぁ、マーゴ、元気かい?」 『ええ、元気よ、・・・久しぶり…

Lady メリーと異教の騎士5

ズビッ・・・、あー・・・。 ハロルドは自宅のアパートメントの扉を開ける。 タバコ臭い匂いは、恐らく第三者の侵入を許さないであろう、 それぐらいどぎついものだ。 勿論、本人は気にしない。 「あー、お? 珍しいな、オレに連絡か・・・。」 ハロルドは部…

Lady メリーと異教の騎士4

「ち、ちくしょう! このままで済まさねーぞ!」 ギャングどもは仲間を抱き起こして、もたつきながらもビルの陰へと消えていく。 ハロルドはそれを確認すると、一本のタバコを取り出した。 「ふぅー・・・。」 ゆっくりと火をつけて肺にニコチンをたっぷりと…

Lady メリーと異教の騎士3

一人がハロルドに向かって突っ込んだ! その手にはナイフが握られている!! だが、ハロルドは薄い笑みを浮かべたままだ・・・! ブァサッ!! ハロルドのトレンチコートが一瞬、舞い上がる。 ほとんど同時にハロルドの鋭いケリが、ギャングのナイフを弾き飛…

Lady メリーと異教の騎士2

男は電話を切った。 明日、この客が事務所を訪れるらしい・・・、久しぶりの客だ。 彼は椅子から立ち上がると、 部屋の端のジュークボックスに向かってゆっくりとスィッチを押した。 すぐにノリのいい軽快なサウンドが流れる。 男は、首とカラダを揺すりなが…

Lady メリーと異教の騎士1

・・・ジリリリリリリン、ジリリリリリリリン グス・・・ズビッ 鼻を鳴らした若い男が机に向かう・・・。 すぐに電話を取らずに、まず椅子に座る・・・。 机の上は大量の書類やタバコの灰皿などでいっぱいだ、 だが、男は書類など気にも留めずに両足を机の上に投げ出す。 頭は…

うちは最恐の和製ゴスロリ幼女うりぃ・めりーや!9-3

な、なん・・・!? 「・・・ぐはっ!!」 慌てて振り返っても、時既に遅し・・・。 うりぃの血塗られた草刈り鎌が、主人の胸を貫いていました・・・。 「・・・すまんな? これも仕事なんや・・・。」 そして、主人は畳の上に崩れ、息を引き取りました・・…

うちは最恐の和製ゴスロリ少女うりぃ・めりーや!9-2

「・・・ムニャ?」 お屋敷の主人は目を覚ましました・・・。 何か、只ならぬ気配を感じたのでしょうか・・・? ギシッ・・・ 誰かが廊下にいる気配がします。 奥方? 奉公人? 何故こんな時間に? ギシッ、ギシッ・・・ 段々足音は近づいてきます、 屋敷の主人は枕もと…

うちは最恐の和製ゴスロリ少女うりぃ・めりーや!9

だいきゅうわ 「・・・久しぶりやな・・・。」 「ええ、・・・久しぶりっすね・・・?」 「あ~、ウチが主役の話はいつから止まったままやったっけ?」 「す、すいません、自分もよく・・・、 あ! あのぉ、う、梅八クンはどうなったんで・・・?」 「梅八か…

らくがきメァリ・ラブゥ その1

えー、何の工夫もない、ラクガキです。 どっちかっていうと、 ぶっきらぼうで無表情なイメージだと思いますが、 まぁ、適当に描けたんでうpしてみます。 カラダのラインとかも描こうと思ってたんですが、 まぁ、生来のめんどくさがり屋なのと、 2ヶ月ぶり…

アイスキュロス「縛られた巨人」最終話

メーリー 「おお、大地を震わす偉大なる我が父、 紺黒の髪をたなびかす者よ、 大いなる大地を統治せし者、 実りの女神ダー・マーテルの夫にして、 アイギゥス持つアテナの主よ、 あなた様の御名が地に堕ちたとしても、 人間達があなたの御名を忘れ去ってしま…

アイスキュロス「縛られた巨人」4

メーリー 「誰があなたの鎖を解くのですか? 神々の意志に逆らい。」 巨人 「お前の子孫のある者がそれをやるだろう。」 メーリー 「なんとおっしゃいます? 私の子孫があなたを縛から解き放つのですか?」 巨人 「一万と三千年後の彼方の事だ。」 メーリー …

アイスキュロス「縛られた巨人」3

メーリー 「彼らが追われるきっかけは、どのようなものでございますのでしょうか?」 巨人 「彼らの傲慢だ、それが彼らの足元をすくう。」 メーリー 「あなた様の軍勢が復活するのでしょうか?」 巨人 「その必要はない、彼らが自ら招く災厄なのだ。」 メー…

アイスキュロス「縛られた巨人」 2

メーリー 「まあ? ではいつまでこの辱めに耐えるおつもりなのですか? あなた様の同胞たるアトラスは天空を支え続けなければならず、 あなた様が愛したパラス・アテナも、 黒衣のダー・マーテルもデウスの妾にさせられて・・・。 あなた様が創り上げたエピ…

アイスキュロス「縛られた巨人」 1

(真っ暗な演台・・・舞台の袖からカールした髪をまとめた少女がやってくる。 スポットライトはその少女に当てられ、光は彼女と共に移動する) メーリー 「・・・ああ、我らが父よ、 なんと痛ましいことでしょう、こんなお姿に!」 (そして光は舞台の中央に…

Lady メリー新世界篇誕生18

いまや人形は、再びボロボロの家に戻り、 あの、忌まわしき死神の鎌ゲリュオンを手にしていた。 人形の記憶には、 かつてこの部屋から同じように出て行った記憶はある。 だが、今は見送るものもいない。 その必要もない・・・。 ゆっくり・・・人形はゆっく…

Lady メリー新世界篇誕生17

ボサボサだった銀色の髪にも光沢が戻っている。 人形はしばらく、イザベルという女性の死体を覗き込んでいた・・・。 もう、何の感情も湧かない。 ・・・そうなる事は先のサイコメトリーで分っていた、 この人形は感情を糧に動いているという事を。 人形はゆ…

Lady メリー新世界篇誕生16

ザクッ!! ・・・ジワ・・・ジワ・・・ どくっ どくっ・・・! その貴婦人・・・イザベルの胸から大量の血液が溢れ始めた・・・。 そしてそれはそのまま・・・ 人形メリーの、薔薇の刺繍の黒いドレスに染みこんでいく・・・。 また、壊れてひび割れた石膏の…

Lady メリー新世界篇誕生15

私は自分の荷物の中から、護身用の短剣を取り出した。 タイミングや、やり方を失敗をすればただの自殺だ。 うまくできるだろうか? いや、ダメならそれでも・・・。 うまい体勢を保持するのが難しい、 しっかり人形を抱き寄せ、その硬い唇に口付けを・・・。…

Lady メリー新世界篇誕生14

涙が・・・ 気がつくと、私の頬からは大粒の涙が滝のように溢れていた・・・。 言葉や文章には出来ない、何十年も何百年もこの人形が見てきた感情を、 ほんの・・・たった一瞬触れただけだというのに・・・。 この涙はきっと私の涙ではない。 私はまた「見た…

Lady メリー新世界篇誕生13

湖の底・・・陽の光・・・ 口元をゆがめた男・・・エミリー・・・。 何度も何度もカラダを悪戯される光景、 這いずる舌や指先 ・・・そして解放・・・ 片目の老人・・・ 鎌!? 文様のある巨大な鎌・・・ゲリュオン!? アラベスク文様の・・・ゲリュオン・…