おめでたい話と不気味な話
6.
その長く美しい黒髪は、真珠のように虹色の光を反射する。
両の掌に収まりそうな小さな顔、
小さな肩・・・、つぶらなグレーの瞳。
その唇はいつも、誰にでも薄く笑みを浮かべているが、
考え事をするときは、周りが目に入らなくなるほど、集中してしまう。
おもわず「どうしたの?」と、構ってしまいたくなるのだ。
その事に関しては恐らく、宮廷中の男性が同じ意見だろう。
アンドリューは、自分から誘ったくせにドキッとしながら、フラアの耳に口を近づけた・・・。
両の掌に収まりそうな小さな顔、
小さな肩・・・、つぶらなグレーの瞳。
その唇はいつも、誰にでも薄く笑みを浮かべているが、
考え事をするときは、周りが目に入らなくなるほど、集中してしまう。
おもわず「どうしたの?」と、構ってしまいたくなるのだ。
その事に関しては恐らく、宮廷中の男性が同じ意見だろう。
アンドリューは、自分から誘ったくせにドキッとしながら、フラアの耳に口を近づけた・・・。
「・・・あ、あの実はですね、陛下に、婚姻の話が持ち上がってまして・・・。」
「ええええええええええっ!?」
余りの内容にすぐにフラアは耳を離してしまった。
真っ直ぐアンドリューの瞳を覗き込む、
アンドリューはそれでも十分幸せだ。
「ま、まだ確定じゃないですよ?
ただ、国内からお妃様を選ぶより、国外から選出するのも、
国の将来を考えた上では有効ではないか、との話が枢密院から出てるのですよ。」
「・・・はぁ~、びっくりしたぁ、でもそうよねぇ?
戴冠式を済ませたと思ったら、私の事件でゴタゴタして、
そのうちに大陸戦争が始まって、
さらにディジタリアス殿下の葬儀やら服喪の期間があって・・・、
やっとおめでたい話になるわけね?」
「陛下には内密に願いますね?
そこは枢密院の方々が順に話を進めるそうですから・・・。」
「畏まりましたわ、アンドリュー、楽しみな会談になりそうね?」
「いえ、そうとばかりも言えないのですよ、
マグナルナ派の方からは、東方教会の方に、悪魔崇拝の件で議題があるようですし・・・。」
途端にフラアの表情が曇る。
「え? 何で・・・今更・・・?」
「リチャードの件はご存知ですよね?」
「ええええええええええっ!?」
余りの内容にすぐにフラアは耳を離してしまった。
真っ直ぐアンドリューの瞳を覗き込む、
アンドリューはそれでも十分幸せだ。
「ま、まだ確定じゃないですよ?
ただ、国内からお妃様を選ぶより、国外から選出するのも、
国の将来を考えた上では有効ではないか、との話が枢密院から出てるのですよ。」
「・・・はぁ~、びっくりしたぁ、でもそうよねぇ?
戴冠式を済ませたと思ったら、私の事件でゴタゴタして、
そのうちに大陸戦争が始まって、
さらにディジタリアス殿下の葬儀やら服喪の期間があって・・・、
やっとおめでたい話になるわけね?」
「陛下には内密に願いますね?
そこは枢密院の方々が順に話を進めるそうですから・・・。」
「畏まりましたわ、アンドリュー、楽しみな会談になりそうね?」
「いえ、そうとばかりも言えないのですよ、
マグナルナ派の方からは、東方教会の方に、悪魔崇拝の件で議題があるようですし・・・。」
途端にフラアの表情が曇る。
「え? 何で・・・今更・・・?」
「リチャードの件はご存知ですよね?」