Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

重くのしかかる不安・・・

 
  12.

 それって、ナダツやアンドリューから聞かされた、気味の悪い幽霊の話だろうか・・・。
そういえば、この子達の孤児院はリチャードの家の近くだ。

 「・・・それっていつ頃? 今も現われるの?」
 「ニ月前ぐらい・・・夜中おてあらいに行ったときに・・・
 でもそれからはもう 見ない・・・。」

リチャードが金縛りに悩まされていた頃だ。
・・・間違いない。
いったいどういうことだろう?
ただの子供の勘違いなのだろうか?
目の色が違う・・・というのが、せめてもの救いだが・・・。
しかし、この場はどうにかしないといけないわね?
気のせいよ、なんて言ってもしょうがないし・・・。
 「・・・あのね、リサちゃん? 
 きっとあなたの見たのが幽霊さんなら、もう天国に行っちゃったんだよ。
 もう、いないんでしょ? じゃあ大丈夫!
 それに、万一、また、リサちゃんが見たとしても、
 あたしに似てるんなら、きっと悪い人じゃあないわ、だから安心して?」

いやあ、調子のいいことを言う・・・。
だが、効果はあったようだ。
リサは納得したようで、少し考えてからコックリうなづいた。

・・・その日は無事に、チャリティーバザーを終わらせる事が出来た。
だが、帰りの馬車の中で、
フラアは、自分に似ていると言う気味の悪い・・・
恐らく「メリー」と呼ばれる女性のことを考えていた。
折角、「魔女」のレッテルが外れたのに冗談ではない。
「呪い」か・・・リチャードが死んだのは、ある種の呪いなのだろうか?
だが、それに自分が関わっているとしたら・・・無意識のうちに?
いや、確かにリチャードには嫌な想いをしたが、だからと言って憎いとまでは思わない、
いやいや! その前にそんな恐ろしい力など自分にあるものか!

・・・ジェバンス先生に、一度確かめてみよう・・・。