Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

古城アヴァロン 4

 
ランスロットはそれを確認すると、
次々とその後の作戦を各支部長に指示をする・・・。
まだ30台半ばだがその行動力・統率力は紛れもなく、
騎士団トップに相応しいものといえる。
剣技では互角の実力を持つライラックでも、組織内においての実行力となると、
ランスロットには及ぶべくもない。
 「・・・サー・ケイ!
 あなたには、空白となる東欧地域を一時的に見ていただけますか?
 既にモードレイユがほとんどの地域を無力化していますが、
 何らかの動きがあったときは、
 あなたの判断で行動を起こしてもらいたいのですが?」
 「問題ない、任せてもらおう・・・!」
 「ありがとうございます、
 露西亜支部イヴァン・・・!
 君もいざという時は協力してくれ。」
白い手の男・・・「獅子の騎士」イヴァンも異存はない。
 「了解しました、
 お任せ下さい・・・!」

他の案件も早々にケリをつけ、
いくつかのホログラムは光を失い、
ランスロット、ガラハッド、そしてモードレイユが席を立つ。
彼らは次々に部屋を出るが、
最後に若きモードレイユは部屋の奥を一度振り返った・・・。
ウーサーがかつて座っていた玉座の更に奥・・・。
部屋のほとんど壁際にしつらえた壇上に、
一筋の光が・・・。

モードレイユはウーサーの甥にあたり、
あのウェールズの魔女マーゴとも血縁関係にある。
顔つきはどことなく彼らの面影もあるが、
一見すると彼の顔つきは東洋人にも見える・・・。
「神射の騎士」とも呼ばれる彼の技能は、射撃面において最高クラスの腕を誇るが、
本人に言わせれば、人並み外れた視力の賜物だそうだ。
そして彼はその猛禽類のような目で、
部屋の奥の光を凝視する・・・。

そこにあるのは一台の巨大な金床・・・。
そして、その金床に垂直に・・・一本の光り輝く剣が突きたてられていた・・・。