Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

湖の騎士ランスロット 11

 
エアバイク・マルトは、地上から10センチほどの距離を浮きながら疾走するホバリング走法と、
一気にスピードを上げ大空を舞う二つのモードを切り替えられる。
機体はギリギリまで軽量化を図られ、
攻撃方法に機銃や砲弾を使うことは想定されていない。
スペースの問題もあるし重すぎるからだ。
そういう理由のために機体の先端にレーザー砲が取り付けられている。
スサの技術で高出力化、及び軽量化が図られ、
機体重量へはわずかな負担で搭載することができた。
唯一の問題は、
レーザーの冷却化・一回の発射分のエネルギーを溜め込むまでに時間が要するということ。
これをいかに使いこなすかが勝負の分かれ目だ。

これまでの間、タケルの訓練を行っていたのは、
主に、この乗り物を乗りこなした上での戦闘訓練だったと言えよう。
上空で、この乗り物を捌きつつ、敵に攻撃を加える。
こんな短期間でタケルが通常の戦士と同じレベルにまで練達することなど、
スサの誰もが信じることができなかった。
それほどまでにタケルの上達ぶりは激しかったのである。

また、対する騎士団も同じような攻撃手段を持っている。
その気になれば戦闘機なども作り上げることもできるのだが、
今までイギリス政府も黙認させる関係上、
そんなあからさまな兵器など作るわけにもいかなかった。

そういう条件などを設定していくと、
どうしてもスサも騎士団も同様の発想を行ってしまうのだろう。
互いに機体の性能・武器のポテンシャルなど、微妙な性能の差はあるが、
最終的な鍵は、どこまでこのエアバイクを乗りこなせるかである。

また、戦闘部隊の第二陣にはスティンガーミサイルを装備しているマルトもある。
厚い装甲の戦車や建物を攻撃するには、こちらの方が効率がいい。
だが、超高速で自分たちと同じような戦い方を行う騎士団の個別部隊には、
やはり身軽さが第一に求められるのだ。