Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

湖の騎士ランスロット 20

 
・・・逃げる手段はない。
武器は互いに剣・・・、
こちらが有利と言えるのは、体の7割方を覆うルドラの鎧・・・!
ただし、それはスピードの大幅減というリスクも併せ持つ。
どちらにしろ、このカラダに負った衝撃ではまともに動ける自信はない・・・!
 ガチャリ・・・!
タケルは今一度、剣を抜く・・・、
朱くうっすらと光を放つ天叢雲剣を・・・!
それに対し、ランスロットも自らの剣を抜く・・・。
その剣はタケルの幅広なそれよりも、細いが・・・しかし長い!
何かの特殊合金なのだろうか、
ランスロットの刀身は鈍く紅みを帯びている・・・。
 「タケル君・・・、
 君の体に負ったダメージがどれほどのものかわからないが、
 油断はしない・・・!
 互いの条件はイーブンではないのも重々承知している・・・。
 だが、それも戦いというものだ、
 悪く思わないでくれ・・・。」

二人の距離は5メートル程だろうか・・・。
近いとも遠いとも言えないその距離に、
タケルは眼前の男の、秘めた迫力を感じ取っている・・・。
 強い・・・!
この若さにありながら、すでに何度か生き死にの戦いを経験したタケルにはわかる・・・。
自分より二まわりも小さいこの男からにじみ出る圧倒的な威圧感・・・!
 これが騎士団最強の男なのか・・・!?
 薄く小さい目だが、その眼光は本物だ・・・、
 果たしてオレは勝てるのか!?
 この状況で・・・!!