Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

湖の騎士ランスロット 19

 
ある程度歩けるようになると、タケルは剣をしまい、
鎧から露出している部分を中心に、カラダをさすり始めた・・・。
 少しでも回復させないと・・・。
そしてその足は、遠くに転がってるマルトに向かって歩き続けていたのだが・・・、
タケルは兜越しに、すぐ近くで響くエンジン音に気づいたのである。

 上かっ!?

振り向いて上空を見上げると、
それはスサのマルトではない・・・!
騎士団の機体と思われるエアバイクが、空中で静止してタケルを見下ろしていた・・・!
そして・・・その操縦者はタケルと視線が合った事を確認すると・・・、
ゆっくりとその機体を道路に下ろし、エアバイクから降りたのである・・・。
・・・その男はヘルメットを外した・・・。
美しいなめらかな金髪がふわりと宙を舞う。
この男は・・・!
 「・・・ランスロット・・・!」
つい先ほど、スサのコントロールルームで見た映像の男がそこにいた!
ゆったりしたシルクのシャツに革のベストという、軽装の男は、
ゆっくりと機体から離れタケルに対峙した・・・!
 「驚いたな・・・、あんな上空から撃ち落とされても無事とはね・・・、
 おかげで直接君と戦えるようだ・・・。」
 「て、てめぇ・・・、オレを撃ったのはてめぇか・・・!」
ランスロットは静かに首を振る。
 「いや、残念ながら私にはそこまでの射撃の腕はない・・・、
 あれは別の支部長クラスの人間だよ。」
身動きの取れないままランスロットをにらみ続けるタケル・・・!
果たして戦えるのか!?
 「オレを・・・ここで決着をつける気か!?」
 「そういうことになるな・・・、
 上空で撃ち落とすのは、あまり本意とも言えなくてね、
 できれば、この手で直接、始末をつけるべきだと思っていたからね・・・。」