Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

語られない物語 獅子の騎士イヴァン2

 
そして砂漠の荒野に、ついにイヴァンとタケルがぶつかり合う。
これまでのように地上戦となったが、
タケルが面食らったのは、
イヴァンの脇に仕える一頭のライオン!
激しい咆哮の後にとびかかってくる猛獣に、タケルの勝手があわない。
ほとんど全身を覆うルドラの鎧のおかげで、爪やその牙から逃れてはいるが、
強烈な野生のパワーに押されるばかり。
・・・それにその争いを黙って見ているイヴァンでもない。
タケルが怯んだ隙に、容赦なくその剣を振り下ろすのだ、
反撃できるチャンスすら見いだせない。

そしてついにタケルはライオンに組み伏せられてしまう!
絶体絶命だ、
今にもその鋭い牙が、むき出しのタケルの顔面に向けれたとき、
大量のアドレナリンがタケルのカラダに流れ始める・・・!
 こんなところでぇ・・・っ!

 「う・・・っ! ウォォォオオオオオッ!!」
その時、タケルの眼の光が変わる!
タケルの雄たけび・・・いや、
それはカラダ全身から発せられると錯覚するかのような叫び声が、荒野の戦場に響き渡った!
追い詰めていたはずのライオンでさえも、怯むほどの気迫。
その瞬間、タケルは危地を脱す。
イヴァンは休む間も与えまいと追撃を狙うが、タケルの雰囲気がおかしい・・・。
「何が」とは言い切れないのだが、
まるでこれは人間を相手にしているというよりも、
一匹の猛獣を・・・。

そしてイヴァンの印象は正しかった。
ライオンと格闘したことにより、
タケルに内在する戦闘本能の中に、まさしく獣の血が呼び起こされたのだ!
・・・2メートルもの長身のタケルが、
身をかがめ、黒く禍々しい塊となり、まるで四足獣のように荒野の地を這う!