Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

最終話 決着

 
 「戦いは終局した!!
 これ以上の戦闘は無意味である!!
 双方直ちに矛を収めよ!!
 今後の両軍の方針は双方の代表者同士で交渉する!
 ・・・先ほどの地震はお前たちの言う神の意志だ!
 それに逆らうことは何人たりとも許されはしない!!
 繰り返す!
 これで戦闘は終了したのだ!!」

誰もがその声に逆らうことはできなかった・・・。
先ほどまでのタケル達の超自然的な戦闘に続き、
さらに衝撃的な大地の怒りを前にして、この威厳ある怒声・・・。

しばらく騎士団も、次に自分たちがどうしていいのか、
すぐに判断もできずにとまどい続けていたが、
「完璧なる騎士」ガラハッドがランスロットの指示に従い、
全軍に無線をとばす。
 「・・・こちら騎士団円卓の一人、カッサンドラ部隊隊長ガラハッド、
 総員、全ての行動を取りやめ、以下の命令に従うように・・・!
 騎士団本部長ランスロットの言葉を伝える。
 未だ戦闘状態にある者は、武器を置き、
 負傷している者の手当てに向かえ。
 各小隊の責任者は、部隊兵の状況を確認し次第、
 アヴァロン城中庭ホールに集合、
 そこで次の指令を待つように・・・!」

悪い夢から醒めたように、騎士団の兵たちが城の中へと戻っていく。
スサの兵たちも似たり寄ったりだ。
信じられない結末に喜ぶのも忘れている。
サルペドンの言葉の後に、
マリアが詳細な命令を下すにつれて、
ようやく、全員、戦いに勝利したことが
理解できたようなのだ。
すぐさま、タケルの元に救護班が出向き、落っこちている左腕とタケルを回収する。
出血や火傷が酷い・・・、
手遅れとならない内に救命措置を取らないと!

夕日が沈むころには、
まるでこの場で戦闘など何もなかったかのような静けさを取り戻した。
今や、アヴァロン城内で、
騎士団長老たちと、サルペドンを中心とするスサ幹部たちとの間で、
暫定的な話し合いが行われた。
その内容については、この場で述べる必要もない。
それについては別の機会に譲りたいと思う。

今、はっきりしているのは、
スサと騎士団の、
この長い、多くの命を散らせた戦いが、ようやく終わったという事で十分と言えるだろう・・・。


「終わった」・・・?
果たして、本当にそうだろうか。
いや、むしろこれから始まるのだとしたら・・・。





         [緒沢タケル編三部作の一章「騎士団編」終了・・・。]