Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

バッカスの酒宴 13

 
スサの隊員達もさることながら、
実は最も、ウズウズしていたのが当のディオニュソスらしい。
一人立ち上がると、グラスを持って早速パーティの口上を述べようとしていた。
急いでサルペドンが待ったをかける。
 「水を差すようで申し訳ありません、ディオニュソス殿・・・。」
ディオニュソスは子供のように不満そうな表情を浮かべる。
 「な、何でしょう?」
 「宴の前に、無粋だとは重々承知ですが、
 このことをはっきりさせませんと、我らも気持よく酔えるものではありません。
 現在、ゼウスを頭とするあなた方オリオン神群と、我ら地上のスサは交戦状態にあります。
 それをご存知の上で、我らを招待なされるのは、他の神々から裏切り行為と取られるのでは?」
そうだ、
それを確かめない内は乾杯もできない。
酒田のオッサンは、バツが悪そうに握りかけていたグラスの取っ手をテーブルに置く・・・。
一方のデュオニュソスは、
一瞬、目をパチクリした後、一度椅子に座って・・・
下品なほど無造作に足をテーブルの上に投げ出した。
 「・・・だぁあってぇぇぇぇ、めんどくせーじゃんよぉぉぉぉぉ・・・。」

うぇっ!? いきなり態度が・・・!?
 「戦いとか戦争とか・・・興味ないんだよねぇぇぇぇ?
 この村は、地上の人間から何か被害受けたわけでもないしぃ、
 ワインやウィスキー作ってる方がよっぽど、健康的だし、同胞とやらのためだぜぇぇ~?」
・・・全員、空いた口が塞がらない。
いや、確かにデュオニュソスの言い分は、
どんなにやる気なさそうでもスサのメンバーにとっては歓迎すべき意見である。
サルペドンが質問を続ける、
・・・多少苦笑いを浮かべて・・・。
 「ゼウスやハデス達から圧力や嫌がらせは・・・ないのですか?」
 「あーつーりょくぅぅ?
 だぁってぇ、あいつらのお気に入りの酒を届けてるのはこの私ですものぉ、
 この私に何かあったら、困るのは上位神の皆様というわけですぅぅ♪」