Ladyメリーの物語55・56
ここまで興奮する出来事は何年ぶりだろう?
凄まじいスピードで二人は空中で交差する。
身長160センチそこらの斐山優一のパワーはたかが知れている。
だが、これまで街の間隙を縫って走ってきた勢いと、
上空からの落下、
これだけの加速を以って攻撃を行えば、恐らく石膏を材料として作られた人形など一たまりもない。
あの、異形の鎌の刃先にさえ気をつければ・・・!
警戒していたにも関わらず、
優一の視界に、突然巨大な刃先が現われた!
それも常人なら、切られるまで気づけないような、死角からの攻撃だ。
メリーの放つ攻撃には、死神の鎌それ自身が持つ巨大な重量と、
そこから生み出された悲劇的な遠心力が加わり、
斐山優一の想像をも越えるパワーが付加されていたのだ!
(やばいっ!!)
バキィィッ!!
「うぉぉぉぉぉぉッ!?」