Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Ladyメリーの物語73・74

  強いて言えば、この地に生きる生命達の神経がやけに過敏になっている。
  でもその原因は?
人形の身になった百合子には、そこから先の判断は不可能だった・・・。
リーリトの身のままであったなら、
恐らくその異常を「嫌悪」と表現したのかもしれない。
だが、心の失せた人形のボディでは、この夜空の異常を理解することなどできないであろう。
結局「彼女」は、それ以上の思考を諦め、
再び夜空の闇に消えていった。
                                     
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その頃、斐山優一はムリヤリ自分のカラダを動かし、
既に死体となっている「石橋達也」のカラダから、バイクのキーを抜き取っていた。
 メットは・・・ああ、あれは頭の方か。
メットはそばに落ちていた。
もう、加藤恵子は入り口に停めてあるバイクを見つけているだろう。
別に、彼女にバイクを見つけてもらう必要など全くないのだが、
彼女に死体を見せずにキーを手に入れるには、一度彼女を遠ざける必要があったに過ぎない。
                                       
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