Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

うりぃ・めりー対あーまーじゃっく 20

 
お屋敷に静寂が戻りました・・・。
いえ?
何か聞こえてきます。
 パチパチ・・・パチパチ・・・
その内、焦げ臭いにおいも・・・。
どうやら火が出たようです。
うりぃたちが逃げるときに、行灯の火でも倒したのか、
それとも、「誰かが」意図的に放ったのか、
お屋敷が燃え始めました・・・。
この時代の建物は木造です。
おそらくすぐに火はまわるでしょう・・・。

「彼」はどうしたのでしょうか?
いくら足が遅いとはいえ、この屋敷が火の手に包まれる前に脱出する事は可能なはず・・・。
そして、
ついにお屋敷は紅蓮の炎に包まれ始めました・・・。
もう・・・ここで何があったのか、
他人に確かめるすべさえ、残らないでしょう・・・。

 おや?
また何か、建物が燃える音とは別に・・・金属的な・・・機械的な音が聞こえてきます。
 ガシャン・・・  ガシャン! ・・・ガシャン! ガシャンッ!!
やはり・・・、
その鋼鉄の鎧に、火炎など、何のダメージを負わすことはできないようです!
「奴」・・・、あーまーじゃっくは何事もなかったかのように、
彼もまた、外の世界に解き放たれたのです!!

 「う・・・うりぃ・めりー、わ、我から逃れることなど、か、かなわぬ・・・!
 おまえをこの世界から、ま、抹消することこそ、わ、我が使命・・・!!」

アーマージャックは足を止め、空を見上げました・・・。
そこには明るく銀色に輝く月が浮かんでいます。
彼にも何か思うことがあったのか、
しばらく、同じ姿勢で、・・・ずっと「月」を見上げ続けていたのです・・・。