Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

シェリーの涙~崩壊への序曲 6

 
 ・・・ここはインドのコルカタ・・・。
カーリーの実家はインドでも有数の資産家だ。
いくつもの別荘やビルを国内に持っており、
その内の一つを黒十字団の活動拠点の一つにしている。
もちろん合法的に正規の事業も展開しており、
一般企業にもオフィスや倉庫も提供している。
・・・セントメリー諸島の戦いから逃れ、ローズたちは、
ヘリから船、セスナ機を乗り継いで、カーリーの所有する別荘に招かれていた。
 「・・・それでメィリィ、何であそこで料理なんかしてたの?」
ローズはすっかり元の調子に戻っていた。
切り替えの早さも彼女の特徴だ。
 「んん~、あいつらを油断させるつもりもあったけど、
 なんだかんだで、あの島でみんなに料理振舞う機会なかった・・・、
 だから、戦闘終わったら、みんなにご馳走したかった・・・。」
 「そおだー、あたしもメィリィの料理食べるつもりだったのに!」
 「でもカーリー、厨房使っていい、言ったね、
 今夜、ここでパーティやるよ!」
 「ほんと!? じゃあ、ラブゥや先生達と一緒に食べよう!」
二人は、ふかふかの絨毯が敷き詰められただだっぴろい客間で会話をしていた。
向こうにはトラの剥製もある。
ここがかつてのサルタンの居城だと言われても、なんの疑問も湧かないだろう、
それぐらい豪勢な部屋だ。
そうこうしているうちにラブゥがやってきた。
 「・・・あいかわらず呑気な会話してるね・・・・?」
 「あ、ラブゥ、中華好き? メィリィがおいしいもん作ってくれるって!」
しばらくラブゥはそのまま考え込んでいた。
いや、彼女もけして食事は嫌いじゃない。
素直にウンと言えないだけだ。
 「・・・あー、中華料理か・・・、あまり食べた事ないんだ。
 でも、ちょうどいい機会だから、良ければ・・・是非・・・。」
 「オーケー、腕によりかけるネ!」
 「・・・それよりさ・・・カーリーが呼んでる、次はメィリィ・・・。」