南の島のメリーさん達 最終話
「騎士団にいる我らの同調者・・・ウーサーの甥だそうだが・・・、
その『愚者の騎士』の目を盗んで・・・日本の東京に潜入したそうだ。
・・・ああ、あの女は・・・もうこの世にいない。
ガス爆発を装って家ごとふっとばしたということだ。
緒沢家発祥以来、最高の神童と呼ばれたあの小娘は、天井の下敷きになって死んだそうだよ、
・・・弟をかばってね。
フッフッフ、意外か?
だが、これでいいんだ、
もう騎士団を止めれるものはいない。
大丈夫だ・・・、まだ血筋は残っている。
そう、あの出来損ないと呼ばれた弟だよ・・・!
かつて地上を支配したという古代神の血脈は、確実にあの弟にも流れている。
想像してみるがいい、・・・恐らくお前にも未来は読めないはずだ。
あの弟・・・緒沢タケルが怒りに狂い、騎士団の精鋭たちと戦ったらどうなるか?
緒沢家に伝わる秘宝・・・、神剣天叢雲と、
神に選ばれた者にしか扱えない聖剣エクスカリバーが激突したらどうなるのか?
そうだ・・・お前にも言ってなかったな。
代々秘密とされていた緒沢家の本当の使命・・・、
あの緒沢美香の本当の役割は、
破壊と嵐の神・・・古えの咆哮する邪神を、その遺伝子の中に封じ込め続ける事・・・、
彼らの遺伝子に眠る邪神の因子を、ありとあらゆる秘術を以ってこの世に発現させない事、
それこそが彼女の本当の使命だったのだ・・・!
その封印が解けた時・・・果たしてどんな神が生まれるのか・・・楽しみではないか・・・!
フッハッハッハ・・・ハァーッハッハッハッハァ! 」
笑うルードヴィッヒの影が、冷たい壁で揺れていた・・・。
だが、その影の姿は人間のものではない・・・、
部屋の壁面には、彼の頭部から生えている、老山羊のような不気味な角が映っていたのである、
まるで・・・中世絵画に描かれる 邪悪な魔王のような姿を・・・。
だが、その影の姿は人間のものではない・・・、
部屋の壁面には、彼の頭部から生えている、老山羊のような不気味な角が映っていたのである、
まるで・・・中世絵画に描かれる 邪悪な魔王のような姿を・・・。
(南の島のメリーさん達 おしまい)