Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

メリーさんを追う男 夢8

 
 「まぁ?
 そんな大した事じゃございませんことよ?
 女性なら、男の人を意に従わせるなんて・・・誰でもやってることでしょう?
 あなたに渡す髪の毛を拾うのも簡単だったし・・・。」
 「しかし会った事もない人間にまで術が効くとは・・・、
 黒十字団が作った人形の効果は凄いな・・・。
 どうやって作るんだ、こんなの?」
 「あまり余計なことは詮索しない方が、お互い身のためですわ、
 ビジネスはビジネス、割り切っていきましょう?」
 「ああ、なら、気づいてると思うけど、
 あの男、わたしの術で本心を強化させなくても・・・
 たぶん自分で引き金を引くつもりだったよ・・・。
 心の中は、罪の意識と自分を責める心情でいっぱいだった・・・。
 でも、報酬はちゃんと頂くよ・・・。」
 「もちろん、どうぞ、別にわたくしが払うわけじゃございませんですし、
 わたくしもわたくしの仕事をしただけですもの。」
 「・・・ドライだね、あの男には、
 アンタに対する恋慕の情もこびりついてたみたいだけど・・・?」
 「まぁ! 気持ち悪いですの、
 あんなお爺さん、仕事でもなければ近づきたくもないですわ。」
 「・・・そういうわたしも似たようなもんか、世界がどうなったって知ったこっちゃない・・・。」
 「うふふ、そうですよ、メリーさんはメリーさん、
 誰かに自分の人生を干渉されるなんてまっぴら。
 自分のやりたいようにやるだけですわ。」
 「アンタも・・・か、
 そういえば、名前は聞かなかったな、一応覚えておこうか?」
 「わたくしですか? わたくしはベアトリチェ・・・
 ベアトリチェ・メリーよ、
 今後ともよろしくお願いしますね、メァリ・ラブゥさん?」

この後、全世界に騎士団の侵攻が始まっていく・・・。
同時に、各国の反乱軍やテロ組織がそれに便乗して、混乱に拍車がかかるのだが、
破壊と暴走を止めるために立ち上がった一人の男、及びその仲間たちによって、
騎士団の狂気に走った野望は打ち砕かれる事となる・・・。
それは・・・「語られない物語」で、その物語の一端を明らかにしよう。