Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

緒沢タケル 伝授2

 「タケルー? 行けるー?
 白鳥さん、迎えに来てくれたわよー?」
 「あ・・・ああ、すぐ行くけど、何か用意するもんはぁ?」
 「特にないわ、向こうの道場にお邪魔するから、その時用の服装ぐらいかしらねぇ?」
 「いま、拳法着ぐらいしかないけど・・・。」
 「ミスマッチねぇ、ま、でもそれでいいと思うわ、
 他に誰か来るわけじゃないし、
 じゃあ、私、下で、白鳥さんにお茶出してくるから。」
 「りょーかい、すぐ行く!」

タケルも白鳥亮には会ったことは何回かある。
中学の時は道場にもお邪魔した。
その時、白鳥は高校生だったが、既に無類の強さを発揮していた。
当然、タケルも何度か手合わせしたことがあるが、それこそ子供扱いされていて、
全く相手にならなかった。
今ならどうだろうか・・・。

荷物をまとめて、タケルが下に降りてくと、美香と白鳥が二人で談笑していた。
がっちりした骨格に、一分の贅肉もないしまった体、
短髪に少しウェーブが入った長身の男がそこにいる。
 100年に一人の天才剣士と言われた白鳥亮だ。
 「あ・・・どもっす、白鳥さん、お久しぶりです・・・。」
 「よぉ、タケル久しぶり・・・おい!
 またでかくなったんじゃないか!?」
別に白鳥が苦手とかそういうのはないんだが、
昔、道場でしごかれた記憶はある。
その時の態度や言葉遣いはそのままだ。
 「はぁ、これ以上はでかくなんないすよ、
 ・・・白鳥さん、こないだの大会も優勝したんですって?
 おめでとうございます。」
 「ああ、ありがとう、・・・でもまだ勝てないヤツもいるしなぁ?」