Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリーと異教の騎士16

 
 ここは日本・・・。
ある都内の特別施設を備えた病院・・・。

 「・・・それで、どうなんだ、その患者は? 中学二年生だって?」
 「今は病室で大人しくしてます。
 ・・・念のため拘束衣はつけてますが、精神状態は安定しているようです。」
 「病室は・・・ここか。」
二人の白衣を着た医師は、一つの扉の前で足を止める・・・。
扉には大きなガラスが嵌めてあるが、そのガラスには鉄線が埋め込まれている。
ガラス越しに部屋の中を覗くと、
パジャマを着た一人の少女が上半身を起こして、あらぬ方向を見つめていた。
助手らしき医師が、鍵を開けて部屋の中へと入り込もうとした時、
二人は、突然信じられないような光景に出くわした。
それは、病室の床一面に・・・

 「うわああああッ!?」
間髪入れず、部屋の扉は大きな音を立てて閉じられる!
 「なっ、なんだ! この床は!?」
 「いっ、一体どこからあんな大量のっ!?」
  ・・・シュルシュルシュル・・・
見間違いのはずがない・・・、
  蛇・・・!
病室の中の床一面には、大量に這い回る蛇のカラダで埋め尽くされていたのだ・・・!
そして、扉の音に反応したのか、
ベッドで上半身を起こしていた少女が、
ゆっくりと彼らの方に狂気の笑みを浮かべて笑い出し始めた・・・!

 「ウフ・・・、クスクス? ウフフフフフ・・・アハハハハハッ! 」

まさに「ケタケタ笑う」という表現がぴったりだろう、
動けぬカラダを激しく揺さぶって、大きく口を開いて笑っている・・・。
この蛇たちは、彼女が呼び寄せたとでも言うのだろうか・・・?

そう、彼女・・・伊藤麻衣は、
自分の父親と母親を、包丁で滅多刺しにして、
あまりの狂気の犯行に、
拘束されてこの鉄格子の窓で塞がれた病院に収容されていたのだ・・・。
 
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