チャリティバザー
9.
ヤズス会の来訪スケジュールは、
なんだかんだで延び延びになっている。
各方面のスケジュール合わせが難儀しているのだろう。
そして今日は、街の公民館に出向いてチャリティーバザーに参加する日。
親に捨てられた子や、戦争で父母を亡くした子供達の慰問も兼ねている。
特に平民出身のフラアは、こういうことには格段の人気があるのだ。
会場の周りは完璧な警備体制が引かれていた。
その周りには皇女を一目見ようと、多くの市民がごった返している。
中には、昔の顔見知りの姿もあるだろうが、今となっては気安く話しかけることも出来ない。
・・・それに、私たち家族を魔女の一家と罵った者達には視線を合わせたくもない。
ただ、・・・もし自分が当時、逆の立場だったなら・・・と思うと、
彼らを責める事はできないのである。
近所に魔女と呼ばれる者たちが住んでいたなら、きっと子供の私は近づく事はできないだろう。
そういう暮らしの中で育ってしまったから・・・。
なんだかんだで延び延びになっている。
各方面のスケジュール合わせが難儀しているのだろう。
そして今日は、街の公民館に出向いてチャリティーバザーに参加する日。
親に捨てられた子や、戦争で父母を亡くした子供達の慰問も兼ねている。
特に平民出身のフラアは、こういうことには格段の人気があるのだ。
会場の周りは完璧な警備体制が引かれていた。
その周りには皇女を一目見ようと、多くの市民がごった返している。
中には、昔の顔見知りの姿もあるだろうが、今となっては気安く話しかけることも出来ない。
・・・それに、私たち家族を魔女の一家と罵った者達には視線を合わせたくもない。
ただ、・・・もし自分が当時、逆の立場だったなら・・・と思うと、
彼らを責める事はできないのである。
近所に魔女と呼ばれる者たちが住んでいたなら、きっと子供の私は近づく事はできないだろう。
そういう暮らしの中で育ってしまったから・・・。
そしてフラアは知っていた。
ここにいる遺児たちの大半は、
魔女宣告を受けた女達によって、まだ幼いうちに捨てられざるを得なかった可哀想な者たちなのだ。
魔女の家族と分ったら、その子供達も只では済まない。
一般市民も、それがわかっているから、この子達が大きくなっても、
まともな働き口がない。
たとえ皇女であろうと、社会の偏見をなくす事は不可能だ。
全くこの世は間違っている。
だけど今は・・・自分にできることをやろう。
この子達の笑顔を見るために・・・。
ここにいる遺児たちの大半は、
魔女宣告を受けた女達によって、まだ幼いうちに捨てられざるを得なかった可哀想な者たちなのだ。
魔女の家族と分ったら、その子供達も只では済まない。
一般市民も、それがわかっているから、この子達が大きくなっても、
まともな働き口がない。
たとえ皇女であろうと、社会の偏見をなくす事は不可能だ。
全くこの世は間違っている。
だけど今は・・・自分にできることをやろう。
この子達の笑顔を見るために・・・。