Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ルシファーの目的

 
  7.

 「ハ・・・! も、申し訳ありませぬ! つい・・・!」
だが、相変わらず天使を名乗る男は余裕のある顔つきのまま・・・。
 「いいんですよ、エア王よ、・・・それにあなたもそれは聞きたかったのでは?」
 「こ、これはお恥ずかしい・・・左様ですな、
 貴方様の前では隠し事もできませぬしな?
 ただ、私めには、今まで貴方様の声を聞くしか出来なかった夢の中より、
 かように、私めの言葉も聞いていただけるこの現実がつい、嬉しいもので・・・。」
 「まぁ、私がここへやってきたの今までの事への挨拶をね・・・、
 それと他にも、目的が・・・。
 取り急ぎ、エア王よ、あなたは一度謝らねばと、思っていたのですよ。
 私の目的を達成させるために、この国の現状と、あなたの権力を利用させてもらった事についてね。」

ランディは思わず頭をあげる・・・。
 (この国と王の権力を利用した・・・!?)
だが、エア王はそんなことはどうでもいいようだ。
 「何を仰います、結果としてこの世界を救うためではございますか?」
そこで、ルシファーは足元のランディに視線を落とした。
 「キミも気になるようだね、
 ランディ君・・・ま、当然だろうね・・・。」
そこで、ルシファーはゆっくりと、部屋の片隅のイスに腰を下ろす。
 「よっこいしょ、
 ・・・これはキミら二人だから言うことだ。
 別に誰に伝えても私には不都合はないが、
 あまり私の噂を広げると、これからの私の行動に影響が出る。
 それだけは念頭に置いて欲しい。」
エア王もランディも、そう言われれば従うしかない。
もっとも、ランディの心中にはいくつかの疑惑と警戒はぬぐい得ない・・・。

 「・・・では、少し長い話をさせていただく・・・。
 ランディ君、・・・キミも楽にしていてくれたまえ・・・。」

そして・・・この男、ルシファーが、一体何の目的でこの時代に現われたのか・・・、
これより語られることとなる・・・。