Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

天使達の契約

 
  10.

 「勿論、天空の者達も『それ』の存在に気づかなかったわけではない。
 だが、大地の底に眠るアスラ王の本体・・・、
 彼の真の意図に気づいた後では、もはや全てを認めるしか・・・、
 いや、アスラに協力する事しか、彼らは出来なかったのだ。」
ここでランディが思わず叫んだ。
 「協力!? アスラ王と・・・彼ら・・・シリスの事・・・ですか!?」
 「そうとも、
 今度の・・・『空からやってきた災厄』を打ち払うためには、
 アスラ王と、シリスと・・・そしてこの私の全ての行動が噛み合う必要があったんだ。
 勿論、天使達の契約の最大重要事項・・・、
 それらは全て『人間達の手によって実行させる』事が前提なのだけどね・・・。」

老王エアの体は震え始めた・・・!
 「おおおお、そのような遠大な計画の下に・・・、
 我々、無力な人間たちをお導きくださったのですね・・・!」
ルシファーは涼しげに笑みを浮かべる。
 「無力? いえいえ、とんでもない、
 キミら人間はよくやった、
 天空の者達も驚いている事でしょう。
 ・・・それで、話を戻しますが、彼らの計画が始まり、
 その400年後、『天からやってきた災厄』が、さぁ、近づいてきた時、
 そこで私の出番になるわけだ、
 だが、私も彼らの契約の中にあり、
 人間の肉体を手に入れることができない。
 そこで、エア王、
 あなたの夢にお邪魔したわけです・・・。」
エアは恭しく頭を下げる。
そしてランディは一度、エアに眼差しを向けた後、
ルシファーに問い直す。