Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

400年前の大破局

 
  8.

 「・・・では、キミらもご存知だが、
 これまでの話を整理しようか・・・。
 ここ、数十年・・・いや、このアルヒズリが建国される以前から、
 北方の遊牧民族との間で様々確執があったのは、説明もいるまい・・・。
 いや、その程度の話は、別にこの国に限ったわけではなく、
 この地上のどこででも行なわれていたことだ。
 ただ・・・この地には・・・、
 400年前に何があったか・・・それを思い出して欲しい・・・。」

ここでエア王がそれに答える。
 「400年前・・・、大陸の半分を制覇した破壊の王、アスラ王が治めた地域・・・ですな。」
 「そう・・・そしてそれ以前には、
 かつての人間社会が科学を進歩させ、
 今では想像もつかない栄華な暮らしと科学技術を発展させていた・・・。
 だが・・・、
 その400年前の大破局と・・・
 アスラ王のスーサが滅び、
 ウィグル王国・・・いや、この地上の文明全てが消失し・・・、
 再び人間は、また歴史をやり直すことになった・・・。」

そこで、ルシファーは一度、話を止めた・・・。
エア王、そしてランディの顔を注意深く見つめる・・・。
 「さて、そこで・・・、
 キミらは考えた事はあるかい?
 『何故、あの時代、二人もの天使がこの地上に舞い降りたのかを』?」
エア王は見当もつかないという顔つきだが、
ランディは意表をつかれたと、言わんばかりに目をぱちくりさせる。
だが、しばらく考え込んだ後、ランディは言葉をつむぎ出す・・・。
 「そ、それは・・・やはり大破局に関わる事・・・なのですか?」