Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

アスラ王の遺産

 
  9.

ランディーの問いにルシファーが答える。
 「うん、勿論、それは関係あるよ、
 だが、大事なのは天使である彼らの関係性だ。
 片や、人間の肉体を保ち、その能力の一部のみ封印を解き、
 スーサを治めたアスラ、
 そして片や、完全に復活しながらも、天使の力を封印し続けウィグルを率いたシリス、
 彼らの『騙し合いの結果』、大勢の血が流れた・・・。
 そしてそこまでして、彼らが手に入れたもの、
 残したものがなんだったのか・・・。
 それが、この私がこの時代に現れた事と関わってくるのさ・・・。」

エアもランディも、注意深くルシファーの話を聞き続ける。
そして、ルシファーは再び話を続けた。
 「彼らが復活した動機はそれぞれ違うが、
 勿論、自分達の『守るべきモノ』が、前提として存在する。
 その上で、その為の手段としては、
 自分たち以外の者を滅ぼす事だったり、飼いならす事だったり、
 ・・・或いは契約を結ぶことだったりと、有史以来、それぞれの目論見の元に行なわれてきた・・・。

 そして遥かな太古の昔、彼らにはある一つの契約を酌み交わし、
 400年前の大破局の以前の復活は、
 その契約の範囲内でおけるギリギリの活動だった。
 そして、アスラ王は、
 人間の心を最後まで保ちながら、
 シリス始め天空の者達のあずかり知らぬ所で、
 一つの目的を果たしたのだ。」

 「それが、もしや・・・。」 これはエア王の声だ。
 「そう、アスラ王が残した遺産、
 キミらが手に入れた『大地の槍』・・・だ。」