ランディ プロローグ最終話

　
　「私が　そ・・・そんなっ！？」
　「全ては予定されていたことじゃ・・・。
　そなたが着ている鎧・・・『ルドラの鎧』も普通の人間には纏う事もできぬ！
　・・・そなたの初陣の時に黒雲と雷が起こったな？
　あれも偶然ではない。
　それらが起き易い気象条件は勿論じゃが・・・、
　紋章・・・ルドラの鎧・・・
　そしてそなたの闘争心が、相乗効果で起こした天使の力の一端じゃ・・・。
　そなたの曽祖父も、その力を持つが故に『雷公』と呼ばれたのじゃ。
　いま・・・アスラの血を受け継ぐ者がこの地に現われたように、
　ウィグルにおいても、
　天使シリスの命脈を現わすものが台頭しておるはず・・・。
　
　ランディよ、
　そなたには今しばらく、この地において、
　イル兵を撃ち払ってもらうが・・・、
　そう・・・恐らく１年もしないうちに東方のウィグルへ向かってもらう。
　そこで、そなたは月の天使シリス・・・その子孫に会い、
　その者の助力を得よ・・・。
　そしてアスラ王の遺産を手に入れるのだ・・・。
　
　よいか？
　これはアルヒズリの為だけではない・・・。
　すぐにそなた達には理解できぬかも知れぬが、
　これは一国の興亡などという生易しいレベルの話ではない・・・！
　この大陸全て・・・いやこの地球という星そのものの危機が近づいておる！
　
　我々がアスラ王の遺産の取得に失敗した時・・・
　それはこの大地に生きる人間・・・全てが一人残らず死に絶える時じゃ・・・。
　余が・・・この度、神の御使いから受けた最大の啓示・・・
　すなわち天空よりやってくる災厄、
　全てはその災厄を防ぐために、
　神の御使いは、この余に予言を賜り続けてこられたのじゃ・・・。」

　　　　　　　　　　　　　　　（ランディ　プロローグ終了・・・）