Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリーと異教の騎士 48

 
 『ハロルド、とりあえず、あなたに騎士団から特に要請がないのなら、
 こちらとしては、それで特に気にすることはないわ。
 今までどおりにしていてもらって構わない。
 ・・・もっとも、いつでも動ける準備をしておいてね?』
 「・・・何か・・・あるのか?」
ようやく、彼女の会話に反応できたはいいが、その声に精彩はない・・・。
 『「ウチのお偉方」が気にしてるのは、騎士団のテロ行為より、
 自分たちの存在を脅かすもののほうが重要なのよ。
 ・・・今、各マスターの直属部隊が、危険分子のリストアップに必死になってるわ、
 勿論、私たちも狩りだされている訳だけど。
 それで・・・もし、その危険分子の正体が掴めれば・・・・、
 あなたに「抹殺」任務の指令が行くかも、・・・ということ。』
 「ハン? 危険分子?
 ライバル企業とかじゃなくて?」
 『あなたも、ウチのお偉方の「ダークな部分」は、まんざら知らないわけでもないでしょう?
 私たちは上で決まったとおりに動くだけだけど・・・、
 私たちデミゴッド9人のマスター達の行動を阻むのは・・・、
 何か・・・超常能力か何かの力を持つ4人だと、判明したようなのよ。』
・・・またオカルトじみてきたな・・・。
もっとも「ボス」達は確かにそういう「世界」の住人だ。
 「どっからの情報なんだ?
 それともボスが予知したとでも?」
 『いえ、あの人だけじゃないわ・・・、
 もともとボスは予知は得意ではないタイプだし・・・。
 9人のマスター・・・いえ、それだけじゃなく、
 どうも、世界中の能力者たちが同時に同じ予知夢を視たみたいなの・・・。』
 「なにぃぃぃぃっ!?
 世界中の能力者全員んんんんっ!?」

今、二人が交わしているこの話題は、唐突になされているものではない。
何故ならこの一連の物語の、パラレルとなる他の世界でも同様の事件が起きるからだ。
既に皆さんはお読みになっているかもしれないが・・・。
もっとも・・・Lady メリーの物語では、ここから先は描かれる事はないだろう・・・。