Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリーと異教の騎士 47

 
アーリアは首を振った。
 『騎士団のオデュッセウス部隊が敗れたわ。
 あなた知ってる? 
 日本に存在している秘密結社「スサ」を・・・。』
 「スサ!? ・・・スサ、スサスサスサ・・・。
 ああ! なんか若いねーちゃんが纏め上げてる組織だったよな!?」
 『その女性はこないだ、死んだそうよ・・・。
 事故なのか暗殺なのか・・・、いまだ不明だそうだけど、
 変わりに立ち上がった彼女の弟が獅子奮迅の活躍をしてるわ・・・。
 オデュッセウス部隊長は戦死・・・、
 壮絶な最後だったそうよ。』

・・・ハロルドの動きが一瞬・・・止まっていた・・・。
しばらく口を開く事も忘れていたが、ようやく信じられない情報を飲み込むことが出来た。
・・・勿論、こういった事態だって起こりうる筈だし・・・。
 「なぁんだとっ!?」
 『・・・本当よ。
 午前中に入ってきたニュース・・・。
 ニュースっていうか、偵察衛星からの入手映像ね。』
そんな情報を聞かされて、ハロルドはしばらく次の言葉が見つからず首を横に振るだけだ・・・。
 『・・・ショックだった? 
 その部隊長とは親しかったの?』
 「・・・いや、取り立てて親しいってわけじゃねーが・・・
 あの団体の中じゃ、まぁ腰が低いっつーか、偉そうなヤツじゃないし、
 というよりも・・・一種のムードメーカーみたいなヤツだったな・・・。
 そうか・・・死んだのか・・・。」
 『「ウチのボス」の話では、次にヘクトール部隊と「スサ」がぶつかるだろう、との事だけど、
 もし、騎士団側が敗れるか、・・・または敗れないまでも、戦闘が長引く場合、
 ヨーロッパでの戦況にも重大な影響を与えるだろうとのことよ。』
 「・・・・・・。」
ハロルドはアーリアの顔を見てはいたが、
彼女の説明に答えを返す余裕をなくしていたかもしれない・・・。
アーリアも、今は別々の任務に就いてるとは言え、
家族のように一緒に育った同僚の気持ちぐらいは理解できる。
だが今は・・・。