Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリーと異教の騎士 50

 
子供の頃から知ってる同僚など、別に今更、口説くつもりはさらさらないが、
親しい女性への礼儀と言うか習慣で、ハロルドは長いまつ毛でウィンクしてみせる。
滅多に連絡しているわけでもないが、
アーリアにしても、そういうハロルドの行動パターンについては了解済みなので、
「ハイハイ。」となおざりに対応するのみ。

 どうして組織に入っていると、人間ってのは、しゃれっ気やユーモアをもなくしていくかな?
 まぁ、騎士団のマーゴみたいのは、また特別ナンだろうが・・・。

通話を終了させた後、
飲みかけのビールを一息に飲んで、
ハロルドは再び騎士団の行く末に心を痛める・・・。
当面、デミゴッドの仕事は現状では切迫したものではなさそうだし、
ダブルエージェントとしての複雑な任務をこなせ、というわけでもないので、
その辺はまだ気楽なのだが。
 それにしても・・・どこかの国軍に敗れるならともかく・・・
 同じような秘密結社の一組織に敗れるというのは・・・。

そして、当たり前のことだが、ハロルドは気づいていない。
いや、デミゴッドのマスター達も、
騎士団幹部もマーゴにしても・・・
リーリトの百合子も黒十字団のカーリーですらも・・・、

まだ、世界の全ての事件を繋げて視る事が出来るのは・・・、
恐らく地上では「少年」と・・・、黒十字団党首くらいのものなのかもしれない。

忌まわしき破壊の王ヴォーダンは、いまだ大地の底に・・・。