Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

湖の騎士ランスロット 8

 
ここでタケルを責めても、後悔しても始まらない。
マリアが現状を見かねて二人を現実に引き戻した。
 「さぁ、二人とも、
 悩んでる暇はありません。
 それにランスロットが強いといっても、
 今の時代、戦いは剣で決まるわけではないでしょう?
 すぐに行動を開始しないと・・・。」
サルペドンはその言葉に我に返り、
さっそく各部署に戦闘の開始を指示し始める。
タケルはしばらく動けないままだったが・・・、
マリアに一つだけ確認を求めた・・・。

 「なぁ、マリアさん・・・」
 「はい?」
 「サルペドンは、姉貴にあの男の強さが匹敵すると言ってたけど・・・。」
 「ええ・・・?」
 「姉貴より強え奴なんていねぇよな・・・?」

こんな事を聞かれても、マリアには剣術や格闘技の知識などない。
しばらく、マリアはどう答えてよいか悩んだようだが、
タケルが何を求めているのか、すぐに彼女は理解することができた。
そして優しいマリアは、
最後ににっこりとタケルにほほ笑んだ。
 「ええ、あの人に勝てる人間なんていませんよ・・・!」
タケルに必要なのはその言葉だけだった・・・。
 「おっしゃ!! 目にもの見せてやるぜぇぇっ!!」