Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

湖の騎士ランスロット 9

 
そしてこちらは騎士団大型輸送ヘリ内。
その狭い一室で、二人の男が作戦の最終チェックを行っていた。
互いにその確認を済ますと、
短い黒髪の男性、
若きモードレイユがランスロットに疑問をぶつける。
 「本当にランスロット、あなた自ら参戦するのですか?」
 「その必要がないと?
 敵を侮るな、モードレイユ、
 まぐれで日浦も李袞も倒されはしない・・・!
 それに、緒沢タケル・・・ヤツも緒沢家の血を引いている・・・。
 古代の神々の血脈だとかいう与太話はどうでもいい。
 肝心なのは、かの家系がスサ総代として、
 祀り上げられているだけの何かを有しているということだ。
 我々は神の意思の代行者として、
 それを断ち切ればいいのだ・・・!」
そう言うと、
ランスロットは自らの部隊に命令を与えるべく、その狭い部屋を後にした。
・・・残された東欧支部支部長アケローン部隊を率いるモードレイユは、
ランスロットの姿が部屋から消えるのを目で追って、
独り静かにつぶやいた、・・・それも「日本語」で。

 「・・・フン、神の意志ね・・・、
 代行者・・・?
 本当にバカの集まりだな・・・。」

そして彼は自らの腰の銃を手に取る。
リボルバーの弾倉を開けて、愛銃の調子を確かめているようだ。
彼は銃弾が装填されていることを確かめると、
その銃をランスロットが出て行った戸口に向け、

 「バァン!」
ふざけているのだろうか、
たった一人で、その銃の引き金を引く仕草をして見せた・・・。