Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

湖の騎士ランスロット 15

 
騎士団戦闘部隊の大まかな兵員数のデータはある。
現在、上空で戦っている機体数は、ほぼスサが把握しているデータと矛盾しない。
なのに、さらなる部隊がいるということは・・・。
 「いいえ・・・! この装備とユニフォームは・・・、
 恐らく・・・いえ、間違いなく東欧支部のアケローン部隊です!」
 「われらの主力部隊を上空に釘づけしている間に、
 こいつらがスサ本部を攻撃する腹づもりか!!」
まずい! 
さすがに今のスサでは、騎士団の二面攻撃に耐えられる余裕はない!
サルペドンは急いでタケル達に指示を出した!
 『タケル! グログロンガ!
 罠だ!! カッサンドラ部隊は囮だ!
 一度、スサ本陣近くまで戻れ!
 敵別動隊が西の街道沿いからやってきている!!』
 「なぁにぃぃぃぃっ!?」

すぐさま反転して本拠地に戻ろうしたのは当然だ。
だが、ここまでタケルは気づくことができなかった・・・。
カッサンドラ部隊はただ、時間稼ぎのために逃げ回っていたのではない・・・。
タケルを目的のポイントに誘導するのが本当の目的だったのだ。
そして優秀なる彼らは、完全にその任務を遂行できたと言える・・・。

送電線の鉄塔・・・。
上空で戦うスサの兵やタケル達に、
その鉄塔で静かに身を隠す「彼」の存在に気づくものはいない・・・!
カッサンドラ兵の合図を受け取った「彼」・・・
東欧支部支部長モードレイユは、
大口径スナイパーライフルの銃口を、タケルの乗るマルトに定めていた・・・。
 「・・・さよなら、緒沢タケル・・・。」