Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

湖の騎士ランスロット 16

 
 モードレイユの放った一発が、タケルの乗るマルトのエンジン部分を貫通した!
銃弾が大口径なら、その先端にも特殊コーティングを施した特別弾だ。
そして恐るべきは、上空を高速で飛行するその機体を打ち抜く技術か。
 「おおおお!?」
自分の乗るマルトに何が起きたかタケルは把握できない!
機体に起きた衝撃と突然の異音!!
エンジン部分から聞こえてきた回転音に異常が生じたのは明らかだった。
そしてすぐにスピードと高度が・・・。

 『タケルおいっ!?』
デンからの通信に反射的に叫び声をあげるだけ・・・。
 「撃たれたかもしんねぇっ!! マルトが言うことを聞かねえよっ!!」
グログロンガやその他の戦闘部隊から、
一機、タケルのマルトがあらぬ方向へと離れてゆく・・・。
もう、タケルに余裕はない。
必死に操縦かんを握り態勢を立て直さないと・・・!
高度がグングン落ちてゆくが、
それまで高速で飛行していただけに、
その角度は水平に近い。
・・・ならば・・・!
 「うわわわわあわわあっ!?」
 『おいっ! タケルどうしたーっ!?』

林だっ・・・
高い杉林が山の斜面に密集している。
タケルはそのまま林のど真ん中に突っ込み、
木々の枝や葉っぱをぶち折ってゆく・・・。
 この高さでよかった・・・
 もしもっと低い高度なら、ぶっとい幹にぶち当って・・・