Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

湖の騎士ランスロット 18

 
痛み・・・というか衝撃はまさしく殺人的なものだった・・・。
いまだ四肢に感覚が戻ってこない。
自分が生きてる事はわかったが、体のダメージは・・・?
手足が無事なのかどうかも自覚できない状況だ・・・。

もう、マルトがあっちに行ってしまった以上、誰とも連絡が取れない。
誰か心配して、ここへ来てくれるかもしれないが、
最後の通信状況では、それも期待できないかもしれない。
それに、あの林に突っ込んだことで、
もしかしたら、自分の位置さえ特定できなくなってしまったのではないだろうか・・・。

・・・もう時間の感覚も掴めない・・・、
自分はどれぐらい、この道に寝そべっているのか・・・。
1分?・・・5分? それとも20秒ぐらいしか経っていないのか?
タケルは体に少しずつ力を入れてみた・・・。
肘を地面に立て、ゆっくり上体を起こし・・・。
 (お? い、いけるか?)
足も動く・・・。
腰は・・・曲がるな・・・!
指先はまだジーンとしている・・・もっともそれは指先だけではない。
ほとんどカラダ全身だ。
膝が笑ってるが・・・
タケルは、まだ左の腰から離れず残っていた剣を道路に突き立て、完全に立ち上がる・・・。

 歩ける・・・!

どうやら骨折もしてないようだ・・・。
あらためて、タケルは自分のカラダの頑丈さに感謝した。
もちろん、ルドラの鎧で外傷を抑えられたこともある。
部位によっては関節ごと保護してくれた・・・。
 もっとも、自分以外だったら首が怪しかったな・・・。
 ナマっちょろい首なら、兜の重みも加わって、
 道路に投げ出されたとき、ねじ切れてもおかしくなかったかも・・・。