Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

有人火星探査船フォーチュナー 5

 
最初に目を覚ましたのはドナルドだった。
衝撃波を受けたのは全員同様だが、狭い部屋にいたために、
壁にぶつかったショックは薄かったのだろう。
頭をふらつかせ、足をよろめかせながら立ち上がる・・・。
 「ツナヒロ・・・ノートン・・・無事か・・・!?」
二人を介抱すると、ツナヒロはすぐに正気に戻ったが、
ノートンの様子がおかしい・・・。
意識が混濁してるようだ、
こちらの呼びかけにも、まっとうな反応を示さない。
 「ドナルド・・・ノートンはしばらくベッドに安静にさせとかないと・・・?」
 「ううむ、そうだな、一度、彼のカラダを診てやらないと・・・、
 だが、現状はどうなったんだ?」
ツナヒロは頭をふらつかせながら、計器を確認に行ったのだが、
しばらくすると、気味の悪い声をあげて笑い始めてしまったのだ!
 「ツ、ツナヒロ!?」
 「ド・・・ドナルド!?
 オレ・・・オレも頭をやられたのかもしれない・・・!」
 「どうしたんだ!?」
 「この船・・・完全に航路を外しちまってる・・・、
 そ、それどころかどこを飛んでるのかさえ、確認できねぇ・・・、
 計器が・・・すべてめちゃくちゃなデータを指しちまってやがる・・・!」
ドナルドはゆっくり「それ」を確認した・・・。
まさか・・・
信じられない・・・
あり得ない・・・!
 「・・・どうなっちまってるんだ・・・!?」
先ほどの事件がいつ起こったのか、正確な時刻は不明だが、
時計はと見ると、少なくとも2時間以上は経っているようだ・・・、
時刻表示が狂っていなければの話であるが・・・。