Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

第二十五話

 
今日は!
新学期初めの待ちに待った体力測定!!
体育の時間を二時間使って、
二クラス男女合同で各種目の体力測定及び校内検診を行う日である。
斐山優一達の学年は、
白いラインの入ったエンジ色のジャージに、インナーはありふれた白い体操着である。
二年は紺で三年は緑のジャージだ。

優一は、中学でも授業を真面目に受けてこなかった。
学力テストは自分の成績状態を把握しながら、
それに応じた点数しか取らなかったし、
体育の授業は誰が見ても「流していた」。
そんなかったるいマネをするはずがない。
高校だって同じだ、
こんなものにムキになったところで何も得するものがない。
現在のところ、優一は特定の友人を作らず、
適当に、この記録会も流すつもりでいたのである。
そんな優一を見つめる一人の少女・・・、エリナ。
その傍らには、明るく笑ってる加藤恵子や山本依子がいる。
 優一さんは私に加藤さんたちを紹介してくれたけど、
 あの人は一人・・・。
 淋しくはないのかしら・・・。
優一が、敢えて一人になりたがっていることは、エリナも承知していたが、
本当にそれでいいとは、どうしても思えなかったのだ。

そんな風に心配していると、
突然、加藤恵子がびっくりした声をあげる。
 「きゃあっ!?」
何事と思いエリナが振り返った先に、
・・・そこにあの朝田がやってきていた・・・。
その視線はエリナに向けられている・・・。
 「な・・・何ですか!?」
 「そ、そんな身構えないでくれよ、エリナちゃん、
 あれから、なかなか話せる機会がないじゃないかぁ?」