Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

・高校生活の平和な日常

最終話

彼が手にしていたのは、その手のマニアックな月刊誌・・・、 「月刊格闘技通信」? 「なんだ、こりゃ?」 「あ、斐山、今まで中学じゃ無敗って聞いてたけど、 中には格闘技とかやってるヤツだっていたと思うんだ、 そいつらにも負けたことがないんなら、こー…

第六十七話

えー、 みなさん・・・、 加藤恵子です。 長々と話が進んでまいりまして・・・こんな長丁場になるなんて・・・。 もう少しでこの章は終わります。 最後にクラス風景の一コマのあと、 次の登場人物の人たちに舞台を譲ります! それではみなさん、シーユーアゲ…

第六十六話

ようやく結城八郎は口を開く・・・。 「そ、そうだ、 いざとなれば、命の奪い合いになる・・・。 さっきも言ったが、 デミゴッドの頭目達は・・・人間とは思えない何らかの存在らしい・・・。 嘘かほんとかどうかわからんが、 もしそうなら、人間の法やルー…

第六十五話

「人違いなら?」 「完全に人違いだとわかれば、ハイさよならだ。 ・・・ただ、向こう側・・・九頭竜一族がそう判断しない限り、 いつまでも君には生命の危険が付きまとう。」 「・・・なんだ、そりゃ。」 普通ならその理不尽な扱いに、不満の声をあげてもい…

第六十四話

「デミゴッド・・・。 なんでそんなものが日本の田舎のカルト団体に?」 「そのデミゴッドこそが、彼ら九頭竜一族の崇める蛇だからさ・・・。 デミゴッドの創設者は、蛇の頭の数と同じく9人・・・。 そして・・・世界的な大企業にも関わらず、 その頭目達の…

第六十三話

結城八郎、は侮蔑的な優一の指摘にも怒りもせずに丁寧に解説する。 本人にも自覚があるのかもしれない。 「あ、ああ、それはな、 いろんな説があってだな、 オレらの団体では、その八岐大蛇自身がスサノヲだって解釈なんだ。 ただ、スサノヲ自身、他の神様に…

第六十二話

「う・・・ん、それもよくわからん、 ただ、宗教関係者とか、ある感受性の高い少年少女に多いとは聞くな。 ・・・何らかの能力を持ってたりとか・・・ね。」 「能力?」 「そう、というわけで、オレらは、 日本全国で、とてつもない行動能力や、力を持つ人間…

第六十一話

優一の知りたいのはそんな事ではない。 「いや、その『四人の使徒』ってのから話してもらいたいな?」 「ああ、そうか、悪いな、 実はオレも良くは知らん。」 優一の眉が吊り上がり、あからさまに不機嫌そうになる。 まぁ無理もないか、そんな返答されたんじ…

第六十話

しかし・・・それでもさすがに優一である。 その動揺を表には全く出さないでいる。 恐らく心拍数にも何の影響を見せていないはずだ。 「四人の使徒? なんだい、それは? 美術画か、それともアニメの話?」 優一の反応を見極めようと、 結城八郎という臨時職…

第五十九話

図書室臨時職員、結城八郎は、そんな指摘など意に介することなく、 世間話でもするかのように、車の掃除を行いながら会話を続ける・・・。 「ハハっ、さっきのケンカ・・・いや、ケンカとは言えないな、 一方的な攻撃だったもんな、 でもお見事だったよ、オ…

第五十八話

道順から言えば、先に優一が自宅に着くはずである。 だが、斐山は先に家に入らなかった。 あえて、エリナの帰る道順を予想し、 途中で彼女と合流する。 「優一さん! も、・・・もしかして待っててくれたんですか!?」 今回も主人に会えたペットのように駆…

第五十七話

更に優一は、山本及び加藤をエリナに送らせた。 山本依子もショックが大きかったようだが、 きっと冷静に戻ったとき、斐山優一の事を再認識するだろう。 鮎川クンも同様だ。 彼に関しては途中まで斐山が送っていったが、 彼も男の子、 道半ばで「もう大丈夫…

第五十六話

斐山優一は何事もなかったかのように、 土手からあがってきた。 「救急車はいらないからな、命に別条はない・・・。 ま、しばらくは寝たきりだろうけどね。」 まるで、全て予定通りと言わんがごとくの優一の表情に、 鮎川も加藤もあっけにとられたままだ。 …

第五十五話

「そのチェーンがお前の武器な? オレに通用するとでも?」 「へっ、い、言ってろ! いくらお前がすばやくても、チェーンの動きより早く動けは・・・」 バチンッ! 「なっ?」 バチンッ!! そのチェーンの先端が全て優一のロッドに弾かれる。 「確かに早い…

第五十四話

その瞬間、いきなり優一のカラダが消える! 「あっ? ど、どこへ」消えたっ? と、最後まで声を出すことはできない。 バイク乗りの男の背後に優一のカラダが・・・! 斐山優一はぶつかる直前、空中へ宙返りをしてカラダを舞わせ、 運転する男の背後に飛び乗…

第五十三話

土手の上では、エリナがその場の全員をノックアウトしていた。 一応、鮎川クンも倒された相手が起き上がってこないか、 男としての最低の役目だけでもこなそうと、頑張っていたのだが、 その必要すらなさそうだ、 「皆さん、距離を取りましょう!」 エリナは…

第五十二話

カラダも小さく、見た目にも強そうに見えない優一が無敵を誇ってきたわけ・・・、 その理由の一つがこれだ! 彼は、素手でも無類の敏捷性からくる強さを持つが、 多勢を相手にする時は、捕まらないように敵を一撃でしとめる必要性がある。 ・・・つまり、 彼…

第五十一話

「エリナッ!」 「はぃっ!!」 優一の合図とともに、エリナが行動開始! 呆気にとられていた、鮎川の周りにいた不良どもの一人の顎先を、 その彼女の白く長い足が、勢い付けて跳ね上げるっ! すぐに我に返った他の者がエリナを抑えようとするが、 彼女も止…

第五十話

この状況下でも優一の表情は変わらない、 むしろ、今の吉見のタンカを無視するかのように、 土手の上のエリナに声をかけた。 「エリナ、すぐに終わらす。 始まったら、お前も好きに動け、任せる!」 一同、その言葉に声も出ない。 無視された吉見が激高する…

第四十九話

「あーっと、水沼中の吉見だったか? 確か、去年、ヒネってやったと思ったんだけどね?」 優一は涼しい声で、完全に余裕ぶっこいてる・・・。 対して、吉見と言われた男は目ん玉を釣りあげ、ドスを利かせた声で優一に詰めよった。 「・・・ほざいてんじゃね…

第四十八話

「・・・悪いな、みんな。 こういうことも起こりうるから、一緒にいたくなかったんだが・・・。」 えっ? 次に周りの変化に気づいたのはエリナ・ウィヤード。 見れば、通りのあちこちに柄の悪そうなお兄さん達が待ち構えている。 ゴルフクラブを握りしめてた…

第四十七話

あっ、会話が繋がる繋がるっ!? エリナは心の中で拳を握り締めた! 「・・・そう言えば、ママって言えば・・・。」 鮎川クンが思い出したように、ようやく会話に参加する。 「加藤、お前の母さん、その後・・・。」 エリナには何の事だかわからない。 「加…

第四十六話

「な、ならさっ、もうあの頃の人たちは関係ないんでしょ? 一人で行動してたら、また誘われるよ? それも面倒じゃない? あたしたちみたいな一般人と一緒にいる時間が多くなれば、もうあの頃の人達とはきっと・・・。」 意外とこれはいい意見だったようだ。 …

第四十五話

鮎川クンはバトンを無理やり加藤に丸投げした。 「ちょっ、あたしに振る!? 怖い・・・わよ・・・。でも、普通にしてれば彼の方から何かしてくることはないし・・・。」 エリナも、優一の中学の状況については、大体聞き及んでいた。 「でも、怖かった昔っ…

第四十四話

昨日の体力測定の騒動以来、 斐山優一の話題が、クラス・・・そして学年全体に広まり始めた。 その気になってみれば、一目で分かるグレーの髪の透き通る素肌の美少年・・・、 それが類まれな運動神経を誇り、入学式以来の話題の外国人留学生と、一緒に生活し…

第四十三話

あ い つ ら ? 「優一さん、・・・『あいつら』って?」 そこで優一は自分の口が先走ってしまったことに気づく。 まぁ、どうでもいいことだが。 「ああ、気にするな。 要は正体のわからないものに近づくなってことだ。 もうそろそろ、部屋から出てけ、エリ…

第四十二話

その気持ちが、その時点で彼女たちの本心だとしても、それを信じ込む優一でもないし、 何より、彼女たちの能力では何も期待しようもなかったのだ。 そういう意味でも「誰も信用できない」優一の心を変えることなど出来はしなかった。 ・・・このエリナとて、…

第四十一話

リンゴはいつの間にか喰い尽されてしまったが、 いまだ、エリナは優一のカラダに近い状態のまま・・・。 試しに自分のカラダを少し近づけてみようか・・・。 何気なく、椅子の背もたれにある自分の手を優一さんの肩に添えて・・・。 「優一さん・・・、何を…

第四十話

もちろん優一も、エリナが自分以外の他の男性に対し、 こんなマネをする筈のない事も分かっている。 男によっては・・・いや、女もだろうが、このギリギリの状況を楽しむタイプの人間もいるだろう。 だが、優一はそんなまだるっこしいマネは気に入らない。 …

第三十九話

「あ、す、すいません! 優一様!! つ、つい・・・。」 そうだ、私ったらなんて失敗を・・・! つい浮かれて調子に乗って・・・! これじゃ従者失格・・・。 もう、エリナは顔を起こすこともできない。 下をうつむいて、可愛いおでこを優一に向けるだけだ。…