Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

語られない物語 瓦解する騎士団

 
南欧支部支部長「勇敢なる騎士」ケイの元にその悲報が流れたのは、
およそ二時間後・・・。

獅子の騎士イヴァンが緒沢タケルに倒されたという一報を・・・。
 「・・・そんな馬鹿な!!
 イヴァンは油断するような男ではない!!」
交信先のランスロットは、沈痛な声でケイに戦いの様子を伝える・・・。
 「イヴァンに油断も軽視もありません、
 むしろ、緒沢タケルを軽視していたのは我らの方だったかも・・・。
 怪我の影響は確実にありました・・・。
 しかし、それを考慮に入れても、
 ヤツは・・・タケルは更に強くなっています・・・。
 戦えば戦うほど・・・。」
ケイはしばらくランスロットの言葉が理解できない・・・。
それほど驚愕の事実なのだ。
そして最後に、ケイは覚悟を決める。
既に前線で戦うには高齢の部類に入る故、ランスロットは制止にかかるが、
今度の戦いで最も重責を担うケイを止めることなどできやしない。

そこでランスロットは条件をつける。
騎士団の正規メンバーではないが、
彼らに勝るとも劣らない実力を有する一人の男・・・、
その男を戦列に加えて戦いに赴くこと。
ケイは驚くも、ランスロットのその提案を飲む・・・。

アメリカのニューヨークで普段はふらふらしているが、
有事の際には命をかけて騎士団に協力することを約束したその男の名は、
「異教の騎士」ハロルド・スミス・ピーターガン・・・。
高い迎撃能力を持つ高速小型戦闘機「パロミデス」に乗り込んだハロルドは、
大西洋をとび越え、ケイのペルセウス部隊に合流。

そしてスサと騎士団の戦闘がアラビア湾で繰り広げられる・・・。
ハロルドとケイの二面展開に翻弄されるスサ、
接近戦ならともかく、中長距離戦では思うように戦うことのできないタケルは苦戦を強いられる。
だが、ついにペルセウス部隊の結界を破ったタケルは、
ケイの乗り込む母艦に壊滅的なダメージを与え、
彼らの機体は油田の中に落下・・・、
燃え盛る炎の中・・・、
騎士団中最も高位の発言権を有していた男、
「勇敢なる騎士」ケイはその生涯を閉じた・・・。

そして一方ハロルドも、ガルーダの主力攻撃をたった一人で捌くことへの限界が訪れていた・・・。
機体パロミデスのコントロールは、もはや彼の言うことを効かない。
さらに、ハロルドは戦いの趨勢を理解すると、
乾いた笑い声をあげながら、鼻をすすり、
無謀にもただ一人、最後の攻撃をかけるべくガルーダに突っ込んでいった・・・。