Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

語られない物語 豪剣の騎士ライラック1

 
もはや騎士団は完全に死に体となっていた・・・。
急きょ、南洋支部の剛勇の騎士ガワンを呼び寄せるも、
途中、インド・パキスタン両国の戦闘の影響で、わずかに到着が遅れてしまう。
その間、ほぼ独断とも言える勝手な行動で、北欧支部・豪剣の騎士ライラックが出陣。
ヨーロッパのど真ん中の森林地帯で、スサとライラック率いるテーセウス部隊の激突。

騎士団最強の称号を与えられているランスロット・ガワン・ライラック・・・。
その三人のうちの一人、
まさしくその強さはタケルの実力を上回る。
・・・ましてや兄弟のように、長年苦楽を共にした日浦義純を殺されたライラックの怒りは大きい・・・。
 「オレと義純は騎士団内において、無二の親友!!
 アイツをやったお前だけは許すわけにはいかない!!」
致命傷はかろうじて避けることができてはいたが、既にタケルは満身創痍、
ランスロットを相手にした時のように、
「どうしても勝てないのか」という、弱い心がタケルに芽生え始めた時、
同じタイミングで耳にするライラックの怒りの声が、タケルの心情に、別の・・・、
それまでになかった別の感情が湧き上がり始めた・・・。

 友人を殺されて・・・許せない・・・だと・・・!?
態勢を崩したタケルにライラックが追撃の一打を加えようとしたまさにその時、
渾身の力を振ってタケルはその攻撃を弾き飛ばす!
 「・・・もういっぺん言ってみろっ! ライラック!!」
 「なんだとぉっ!?」
天叢雲剣を握るタケルの怒りが増幅していく・・・。
 「ライラック・・・騎士団・・・、
 てめぇら、今まで何してきた!?
 友人を殺されて許せないっ・・・?
 今まで、てめぇら世界中の人間に何してきたか忘れたとでも言うのかっ!!
 お前らが殺してきたのは軍人や政治家だけじゃないだろう!!
 何の罪もない・・・普通の民間人、
 直接標的にしてはいないとは言え、その被害は女子供にも及んでいたはずだ!!
 友人を・・・恋人を・・・家族を・・・
 大事な人間を殺されて・・・その加害者を許せる人間などいると思うかっ!!
 思いあがるんじゃねぇっ、ライラック!!
 許されないのはお前らの方だッ!!」