Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ガワンとの死闘 3

 
だが、タケルに臆する余裕すらありもしない。
それに、スピードで自分が上回ることは明らかなはず、
ならばその速さで翻弄すれば、確実にガワンはついてこれないはずなのだ!
特に両手斧なら、近距離に持ち込んでしまえば、
その怖さは半減する。
・・・そこまで考えておきながら、
何を思ったか、タケルはいきなりダッシュでガワンから離れ始めた。
 「むっ!? 何のつもりだ!?」
なんとタケルは、ビル屋上の施設の配管やら壁やら破壊し始めたのだ。
そうかと思うと、地面に散らばったそれらの破片を集め、再びダッシュでガワンとの距離、
10メートル程へ・・・。
 「まさか、貴様・・・!」
 「へっ、卑怯とか言うな!?
 オレのパワーも大したもんだぜ!!」
やっぱり飛び道具だっ!!
タケルは拾ってきたそれらを思いっきり、ガワンに向かって投げつけたのだ。
・・・考えてみてほしい、
身長2メートルの大男が、そのパワー全開で既に凶器に等しい物体を一斉に投げつける姿を。
ましてやタケルの四肢は、同じ体格の者と比べても異様に長いのだ。
そのバネとしなった鞭のような腕からは、
メジャーリーグクラスの脅威的なスピードが生み出される。
一発二発ならともかく、それら全てをガワンに避けることはできない、
その大斧で防ぐにしても、無傷でいられるはずもない。
・・・ならば・・・!
ガワンが纏う特注の鋼線入りマント・・・!
それでもかなりの衝撃が・・・!!

だが、もともとタケルの狙いは、そんな事でダメージを与える事ではない。
そのガワンに生じた隙に向かって突進・・・、
その両手斧の間合いの中に入ることが真の狙い。
だからこその10メートルの距離だ。
そしてそれは成功する!!
 ガギッィ!!
二人の武器が激しく打ち合う!
遠心力のないこの距離なら、斧とぶつかったって怖くもない。
二人は真正面から力比べに陥った。