Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ガワンとの死闘 2

 
そしてタケルは獣のように一気に飛び跳ねるっ!
・・・もはやタケルは未熟な一兵卒ではない!
相次ぐ豪傑との戦闘で、そのレベルは格段に跳ね上がっていた!!
ガワン左肩への袈裟切りと思わせるや否や、
受けに回ろうとするガワンの虚を突き、
神速の速さで切り返し左下段から脇腹を掬いあげるように・・・!!
 ガギィッ!!

そんなバカな・・・!?
ガワンはそのタケルの奇襲にもうろたえることはなかった・・・!
これまた、信じられない程の反応の速さで、タケルの攻撃を両手斧の柄で受け止めている!
そして・・・。
 「ヌオォォオオオッ!!」
そのままタケルの剣はかちあげられた!
タケルの腕は硬化し、脇腹や脇の下が無防備となる。
 ニィ・・・ッ!
ガワンの凶悪な斧の攻撃・・・もはや受け止めることは不可能・・・!!
地面を揺するような鋭い踏み込みから、ガワンの悲劇的な一振りが・・・。

だがタケルもここでその才覚を発揮する。
既に死に体となった上半身はあきらめ、
動ける片足を即座にガワンの攻撃に合わせ、
幅広斧の刃の面の部分に、その足を添え当てる。
残った片足の踵を軸に、ひらりと回転すると、
巨体の二人のカラダが交差する。
さすがにこれだけの重量を持つ斧の攻撃だ、
勢いあまってガワンのカラダは二、三メートル先の空を泳ぐ。
・・・そしてすぐに、ガワンは何事もなかったかのように振り返った・・・。
 「さすがに李袞やイヴァンを倒しただけの事はあるな・・・!」
冗談じゃない、なんていう踏み込みと斧の勢いだ。
無敵の硬度を誇るルドラの鎧さえ真っ二つにされそうだ・・・、
タケルは、今まで自分を越えるパワーの持ち主になど会ったこともないが、
この男との戦いは、タケルにとって衝撃的な体験であった。
そしてその本当の恐怖を味わうのは、まさにこれからなのだ・・・。