ガワンとの死闘 蘇る祓いの剣

　
　一方、・・・タケルの視線はガワンの突進を見据えていた・・・。
身の危険を察知するタケルの生存本能が、アドレナリンを分泌させていく。
その効果は、瞬時に周りの時間を止め、刹那の瞬間に頭脳を高速回転させる・・・！
　パワーが上？
　このオレの力でも敵わない？
　スピードでさえ攪乱できない？
　鎧を脱げば・・・いや、そんな時間はない。
　どうすれば・・・、
　今までの戦い・・・経験、
　李袞との勝負、
　イヴァンとの決着、
　ライラックとの・・・、

　美香姉ぇ・・・っ！！

ガワンが再びその両手斧を振り下ろしたとき・・・、
その腕に確かに手応えは感じられた・・・！
だがそれは、「切った」「破壊した」などという感触ではなく、
まるで木の葉を切りつけたような、頼りない手応えであった・・・。
そしてその視界からもタケルの姿は消え去って・・・。

信じられないという表情でガワンが背後を振り返ったとき、
そこにいた緒沢タケル・・・。
彼の姿は眩し過ぎる太陽の下、
ふわり・・・またひらりと舞を踊っていたのである・・・。
　「気・・・気でも狂ったか！？
　・・・いや、確かにコイツは私の攻撃をかわした・・・。
　この踊りのような動きでか！？」

既にタケルはライラック戦で開眼していたのだ・・・。
幼いころから叩きこまれていた祓いの剣を・・・そしてその舞を！！
姉・美香が命をかけて伝えたその技を・・・！！