Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

タケル無茶苦茶

 
タケルが目を覚ましてから一週間後、
まだギブスや点滴は外せてないが、
車いすでベッドを離れることもできるようになっていた。
アベ先生からは、切断された左腕の指先の運動も始めるように言われている。
何とか動かすことはできるようだが、
モノを掴んだ時の感触に違和感がある。
逆に右手で、ギブスから露出してる部分の左手を触ると、
これも変な感触だ。
本当に元通りになるのだろうか?

その日の午後、
アベ先生がサルペドンを連れてタケルの病室に入ってきた。
二人で会話に熱中し過ぎていたためか、
ノックし忘れたようだ・・・。
 「・・・まぁ左手の癒着は想像以上の速さです、
 この分なら・・・」
メガネをかけたアベ先生は、
扉を開いた後、ベッドの上のタケルと視線をあわせて、
まさしく目が点になった。

 「あ」
タケルはバツが悪そうに左腕を下げる・・・。
その左手の先には

鉄アレイ・・・。

 「た・た・た・タケル君!
 君は何をあわわわわわわ・・・!
 い、いま、何を持っていた・・・
 何を持ってるんですか、君はああああああ!?」
 「え? あ? いえ、その
 左手のリハビリをですね・・・へへ。」
 「へへじゃないでしょうがあああああ!! 
 私は指先の運動をしなさいと言ったのですよぉおおおお!!
 キミは腕が切り落とされたって自覚はあるのですかあああ!!」