Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

オリオンのトモロス

 
 いくらマリアさんでも、そんな簡単に外国語を翻訳できるわけでもないか・・・。

すくなくともタケルの目には、そう映った・・・。
案の定、マリアの回答ははっきりとしたものではない。
 「ギリシア語・・・でも・・・正式な公用語ではなく・・・、
 どこかの方言か・・・それとも古代言語か・・・、
 そこまでは私にも・・・。」
ギリシア語か・・・それであんな格好・・・、いや!
その前にいつの時代の格好なんだ!?

次に生まれた疑問を聞くよりも、
今は目の前の成り行きから、目を離すわけにもいかない。
サルペドンの問い返しに、ハゲ頭はさらに尊大な態度を取る。
 「はぁ?
 スサ!? なんだ、それは!?
 だが、言葉が通じるところを見ると、我らの同胞には違いないのか?
 なら、命を奪うのは勘弁してやろう、
 ・・・だが、この私に対し、その態度は礼儀知らずとは考えないのか!?
 いや、私が誰だかわからないのか、
 それなら教えてやろう・・・。
 私はトモロス!
 栄光あるオリオンの神々の座に列なる一人!
 お前たち人間の支配者たる存在だ。
 ・・・先遣隊が潰したこの地域一帯を管理しにやってきたのだよ・・・。
 それで・・・貴様はいかなる理由でここにいる?
 私の問いに即、答えるがよい・・・さもなくば。」

その脅迫とも思える言い回しに、
さらにハゲ頭の後ろに控えていた兵士が、その手の槍をサルペドンに向ける。
 「貴様、トモロス様に跪かんか!!」
 「早くトモロス様のご質問に答えよ!!」

このトモロスとやらの言葉が理解できたなら、
「頭おかしーんじゃねーの?」とでも思うのだろうが、
まずは彼らの示威行動に、タケル達も当然反応する。
タケルは天叢雲剣を・・・、
酒田のおっさんやクリシュナは、それぞれ得意の銃や、七節鞭に手をかける。
 
 そこへ・・・。