Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

遺跡の招待

 
登っているのはいいのだが、スピードがもう全然遅い・・・。
何しろ体力も限界に近いのだ。
カラダの節々の痛みは完全に麻痺してるが、
きっと一度休めば、次にカラダを動かそうとする時、自分のカラダをいかに痛めつけてしまったか、
まざまざと自覚出来るに違いない。
そうこうしてる内に下の方からザワザワと兵隊たちの声が聞こえてきた。
10人以上、いるのだろうか?
仮に夜の闇にまぎれて隠れ続けることができるかもしれないが、
彼らが陽の登る時まで、ここにいたらあっという間にみつかってしまうだろう。
 まだ・・・もっと先に進まないと・・・!

もうフラアは自分がどこを歩いているのか、完全に見失っている。
この辺りは、以前近づきもしなかったエリアだろう。
イタチやタヌキぐらい、この辺をうろつき回ることはあっても、
人間が通った形跡もなさそうだ。

その時、フラアの耳に大声が聞こえる。
 「おおーい! ここで足跡が切れてるぞ!!」
 「そんなバカな、どこにも行けないじゃないか?」
 「・・・まてよ? この上はどうだ?
 植物が邪魔して足跡はごまかせるぞ?」
兵隊たちが自分に気づいた!
こんなに早く!?
もはや、フラアは何も考えることすらできず、
恐怖と絶望で、フラフラよろめきながら、バランスを崩していく。
 ボコッ・・・

・・・その瞬間、彼女の足元が消失した・・・。
 「 え っ ! ? 」
激しい土砂の崩壊する音が、フラアの足元から耳へと登っていく・・・!
いや、自分が地面の下へと吸い込まれていったのだ。
地盤の弱くなった地面は、フラアを飲みこみ、彼女を遺跡の内部へと招待することになったのだ。
・・・今日、4回目の落下・・・!