ある日の決断
オ カ ア サ ン
ナ ニ イ ッ テ ル ノ ?
最早フラアは、身動きどころか、思考もままならない。
自分の耳から入ってくる事実を理解しようとすることもできないのだ。
自分の耳から入ってくる事実を理解しようとすることもできないのだ。
ディジタリアスは質問を続ける。
「当時、役所などに届けようとは思わなかったのか?」
「・・・は、はい、
申し訳ありません、当時、わ、私たちも貧しく、
その方は現金はほとんどお持ちではありませんでしたが、
身につけてた装身具は、かなり値打の物ばかりで・・・、
ちょうど、夫は細工師ですから、
怪しまれる事もなく換金でき、残りのお金で、都に引っ越しできればと・・・。
言いわけにもなりますが、そうすればその方の遺言通りに、
フラアも私たちの娘として、誰にも怪しまれることなく暮らしていけるかと・・・。」
その時、若き夫婦には、純粋に赤ん坊を助けようと言う正義感と、
お金持ちになれる?という打算が両立していた。
相手が高貴な身分であるらしい事から、
「役所に届ける」事も当然、選択肢にあったのだが、
その二つの意志を覆すことなどできはしなかった。
それに・・・
「当時、役所などに届けようとは思わなかったのか?」
「・・・は、はい、
申し訳ありません、当時、わ、私たちも貧しく、
その方は現金はほとんどお持ちではありませんでしたが、
身につけてた装身具は、かなり値打の物ばかりで・・・、
ちょうど、夫は細工師ですから、
怪しまれる事もなく換金でき、残りのお金で、都に引っ越しできればと・・・。
言いわけにもなりますが、そうすればその方の遺言通りに、
フラアも私たちの娘として、誰にも怪しまれることなく暮らしていけるかと・・・。」
その時、若き夫婦には、純粋に赤ん坊を助けようと言う正義感と、
お金持ちになれる?という打算が両立していた。
相手が高貴な身分であるらしい事から、
「役所に届ける」事も当然、選択肢にあったのだが、
その二つの意志を覆すことなどできはしなかった。
それに・・・
母親は一度、固まってるフラアの方に顔を向ける。
「フラア、・・・今まで隠していてごめんよ・・・、
お前のお母さんは私なんかより、本当に綺麗な方だったよ・・・、
お前と同じ美しい黒髪の・・・。
でもフラア、お前を引っ張り出した時、
お腹を空かせているように泣くから、私のお乳を上げると、
お前は本当に美味しそうに・・・。
もう、その時から、お前を他人の子供だなんて思った事は一度もないからね・・・。」
「フラア、・・・今まで隠していてごめんよ・・・、
お前のお母さんは私なんかより、本当に綺麗な方だったよ・・・、
お前と同じ美しい黒髪の・・・。
でもフラア、お前を引っ張り出した時、
お腹を空かせているように泣くから、私のお乳を上げると、
お前は本当に美味しそうに・・・。
もう、その時から、お前を他人の子供だなんて思った事は一度もないからね・・・。」